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2010年12月

2010年12月26日 (日)

一陽来復

              (覆された宝石)のような朝                
              何人(なんびと)か戸口にて誰かとささやく
              それは神の生誕の日

 そこまでは言わんけど、今日は神の子生誕にまっこと相応しい日、パリでそう感じた人は沢山いる。絶対いる。98.7%の人が、そう思うとる。
 何の裏付けもなく言い切ってしまう。
 いつだって、このblog、自分の思い入れだけで書いてるんだから。

 久し振りに太陽が戻ったんだ、慶賀しないわけにはいかんだろうて。
 フランス国土を縦横に行き交っていた雪雲が今日という日に矛先を収めたのだ。
 それが、たまさか気候の気まぐれであるにせよ。

 こちらの冬は暗くて寒い。日の出は九時前あたりで、日の入りは午後五時前。おまけにしとしと雨が降る。

 雨ならともかく、今年はそれが雪に衣替えして、パリ地域ではあまり経験したことのない大寒波ときたもんだから、もう上を下への大騒ぎ。
 フランス気象庁は最初の大寒波を正しく予報できなかったとボッコボコに叩かれて、それからというもの、過剰な程の注意報を連発することになった。それでも、よく外れてるねー。

 フランス気象庁の名誉のために付け加えておくと、過去の経験で見る限り、彼らの予報はそれほどいい加減ではない。今回の異常気象はことほどさように過去の経験情報蓄積が活かしにくかったんだろうと、密かに同情申し上げている。

 それはともかく、お日様のありがたさは、表日本に住んでいては到底分からないと思う。裏日本(あ、これ「差別用語」の仲間入りしてる?)ではどうなのか知らない。

 てなことで、日本で言えば元旦みたいなクリスマス25日、夕刻になってしまったけど、ちょっと散歩してみた。

 いきなりピンぼけだけど、未だ雪が残る歩道。

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 リヴォリー通り。大阪なら、さしずめ心斎橋筋。
 土曜日の午後四時過ぎと言えば普段は大混雑してるのに、今日は車もまばら

 クリスマスってのは、お父さんたちが飲んで騒ぐ日ではなく、正しく家族と一緒に過ごす日なの。敬虔深いクリスチャンは教会にお参りしてる(はず)。

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 シテ島のオテル・ド・ディユ。屋根にまだ雪が残ってる。

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 降り続いた雪が溶けて流れてくるので、セーヌ川はここ数日えらく増水してる。
 それでも、シテ島とサン・ルイ島の日暮れの美しさは変わらない。

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 橋脚付近に来てみれば、

     五月雨を あつめてはやし 最上川

 普段は穏やかな流れなのに、雪解け水流の激しさが目の当たりに。

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 水上ポリス、えらいスピードで走ってる。
 お前、楽しんどるやろ!警備してるとは思えん!絶対思えん!!!

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 下の写真、タイトルをどう付けようか。
 「寒くなんかない」

 ・・・それじゃ、ちと能がない。
 「パリ、お約束通りの風景」
 ・・・そんなところかな
 ・・・あれ?よっぽど能がないか。

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 セーヌ川辺に下りる階段。その先は遊歩道だけど、水がひたひたと。

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 自分としては下の画像の方が好き。
 クレーンが、ね。

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 こんな風に撮せば、左手の道路が冠水寸前という増水状況がよく分かるかな。

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 下の写真は、知らん人には分かりにくいだろうけど、サン・ルイ島の東端。
 水辺に遊歩道がある、ぼくのお気に入りのポイント。
 完全に水に浸かってしまってる。なんか、ちと寂しい。

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 寒いので、日暮れの空を眺めながらぼちぼち帰る。

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 下の写真、右下に無理して雪をはめ込んだつもりだけど、質感がもう一つじゃ。

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 夕暮れの空は、ね、ホントに美しい。

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 ちゃんとしたカメラ持ってれば、もっともっと美しい景色が撮れたろうにと、すこーしだけ後悔ししつつ、待つ人もないアパートへ、とぼとぼ向かう。

 陽が戻ったはずなのに、何故か寒さがひとしお身に凍みる。

 それはもちろん、首筋から容赦なく忍び込んでくる ちべたい 空気のせい。
 他に理由なんか、ありゃしない。ええ、ありませんとも。

 

 

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2010年12月19日 (日)

また雪のパリ

 「雪の夕立」を初めて見た。

 夕刻にオペラ通りを歩いていると、ぱらぱらと雪が降り始めたと思う間もなく、こんどはどかどかと降り出した。

 地表に落ちた雪は地熱でどんどん溶けては行くのだが、落ちてくる量の方が圧倒的に多く、あれよと見る間に街は白一色。

 3センチ位は積もったかと思ったら、雪雲はいきなり引き上げていった。

 この三週間というもの、寒波が寄せては返し、毎週どこかしらで大雪が降って、そのたびに重量車両物=トラックとかそういった類の車が通行禁止の憂き目にあってるし、戸外での仕事というものはストップしてしまっている。

 ドゴール空港もオルリー空港も、度々間引き発着や一時的空港閉鎖措置に追い込まれてる。空港職員がそれに痛痒を感じているのかどうかは知らないが、今年のエールフランスは、アイルランドの火山噴火で一週間飛べなかったし、十月のストでも打撃を受け、またこの寒波。
 ちょっと同情してしまう。

 でも、北国の人たちは、この「文明人の混乱」を、鼻で笑ってるんだろな。

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2010年12月14日 (火)

OECD 学習到達度調査

 文部科学省が「OECD 生徒の学習到達度調査 Programme for International Student Assessment ~2009年調査国際結果の要約~」なるものを発表している。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/07/1284443_01.pdf

 マスコミは、日本の生徒の学習到達度が大幅に改善されたのは、ゆとり教育の見直しのお陰としている。

 この「ゆとり教育」を導入したのは遠山敦子だと勘違いしてたのだけど、違うのね。中曽根内閣の時に既に中教審が中心となって画策していたらしい。

 中教審ですか。なるほどね。いかにも世の中も現場も知らない連中が近視眼的な理屈だけで、受け皿環境も考えずに作り上げてしまったアホなスキームだとは思っていたが。

 これがどれだけ国家損失に繋がったことか。OK出した時の内閣も、なあ。

 調査の結果、総合読解力、「情報へのアク セス・取り出し」、「統合・解釈」、「熟考・評価」全てに於いてトップだったのが上海。

 日本はと言えば、韓国、フィンランド、香港、シンガポールニュージーランド、カナダと並び全て10位以内で、ご同慶の至り。

 方や、我が居住地のフランスそしてドイツ、アメリカはずっと低位に甘んじてる。

 どうしてだろうね。(そもそも「中国」という国名がなくて「上海」なのは捨て置こう)

 ここで「移民」ってキーワードを補助線にすれば、見えてくるものがある。

 ニュージーランドとカナダだって移民を受け入れているけど、上記三ヶ国とは、ちょっと違う。

 「国民」という概念が日本とその他の国とでは根本的に違っているので、ここでこれ以上論を発展させるのは適当じゃないよね。
 ここフランスでは、イスラム教徒だけで国民の二割以上を占めていることだけ記しておこうか。

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2010年12月12日 (日)

マーラーを初めてまともに聞いた

 Salle Pleyelへ、マーラーを聴きに行った。
 Mariinsky楽団で、指揮はゲルギエフGergiev。
 交響曲第1番と第5番という二本立て。

 マーラーって、CDでは何度も聞こうと努力したけど、どうしても途中で放棄してしまってたので、まともに聞くのはこれが初めて。

 1番は、ねえ、正直言って、ぼくには分からんです。なんだかまとまりのないパッチワークみたいに聞こえる。

 でもファンにとっては素晴らしい演奏だったようで、終わった途端本気の拍手の嵐。

 5番は、これは良かった。やっぱりパッチワークみたいには聞こえたけど、パートパートをうまく繋いで破綻がない・・・ぼくにとって、ということなんで、何の参考にもならんけどね。

 けど、これが終わった後は更にすさまじい拍手で、ゲルギエフは何度もステージに呼び出された。「アンコール」という掛け声も出たのだが、彼が左手首を示して「時間が」という仕草をし、観客は漸く帰路につき始めた。

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 配置で、鳴り物屋が5人もいたのにはびっくり。マーラーという方は鳴り物とか金管が大好きらしい。
 何を隠そう、ぼくもこの二つは大好きではあるが、でもちょっとくどいような気がせんでもなかった。

 そんなことで、割と男前のティンパニーの兄ちゃん大活躍。トライアングルの出番も結構あった。

 5番で、ピアニシモのティンパニーをバックにチェロが演奏する部分が随分長く、あれ、大変だったろうな。ブラームスの交響曲第1番の出だしとはまた違うプレッシャーだろう。

 1番ではハープが二人いたけど、どこで出てきたのかな。良く分からん。

 オーケストラ演奏者の位置もいつもと違うのは、知識として走っていたけど、それでもへーと感心してしまった。

 とゆーことで、初めてまじめに聞いたマーラーの感想は「誇大妄想の分裂症」というところかな。
 貶してるわけではありません。全体の組立がある程度頭に入ったら、また別の感想が必ずや湧き出てくるだろう。

 だから、まっぺん、少しまじめに聞いてみようかな、そう思えただけでも今日足を運んだ甲斐があったというもの。

 寒さが少し緩んだ夜道を歩き、凱旋門の地下で電車に乗って帰宅。

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大きな顔してるわけではないんだけど

 仏蘭西眼鏡屋事情 その2

 おフランスで老眼鏡を誂えるのも悪くなかろうと、眼科医の処方箋を携えて近所の眼鏡屋へ行ってみた。

 凄いね、ヒトで一杯。

 眼鏡屋が繁盛しているという現実を目の当たりに見た。

 フレームだけで、安いものは99ユーロ、高いものは天井知らず。レンズは別料金で、老眼用でも100ユーロ以上。

 試しに老眼+普通の視力のコンビのレンズ料金を聞いてみたら、400ユーロ以上だと。

 フレームと併せると優に600ユーロぐらい。TV放送はホンマだったのね。

 で、あれこれフレームを試してみるが、殆ど小さい!!ツルの部分のこめかみに当たる感覚が気になってしようがない。

 店員にもっと幅が広いのがないかと聞いてみたら、「お客さん、ここに55って、記されてます。これが一番大きいサイズです」だと。

 ワシの顔はそんなにでかいのかいっ!

 こっちの奴ら、そういや顔の幅はあまり広くない。幅が狭い代わりに後ろに出っ張っているんだそうな。

 靴探す時は甲高見付けるのに苦労するし、カッターシャツや上着の腕の長さは西洋人の方が遙かに長いことは知ってたけど、眼鏡選びまで日本人とはサイズが違うとは。

 ワシの顔幅は、日本人として取り立ててでかいとは思ってないのだが、なんか間違うとる?

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2010年12月11日 (土)

イベリコ豚

 近所のスーパーに、ふだん置いてないイベリコ豚のハムが出てた。

 通常のハムは1パック3ユーロとか5ユーロとか、せいぜいそんなもんだけど、こいつ生意気に10ユーロ弱。

 一年半程前に、これは旨いとぎゃーぎゃー騒いでいたヤツがいたのを思い出して、試しに購入してみた。

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 食感は、他のハムとは全く別物。脂身の多い生ハムてな感じ。

 イベリコ豚にもグレードがあるらしく、最高級品はドングリの実をふんだんに食した豚なんだそうだが、それもwebからの受け売りなんで、本当のところは知らない。

 この脂が美味しいらしいのだけど、マグロのトロだってあまり好きでない身には、ネトネトしてるだけで、なんのこっちゃ、という感想だけ。

 メロンが一緒にあったら美味しかったのかもしれないけど・・・

 

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2010年12月 9日 (木)

大雪

 雪。

 昼前から間断なく大輪の雪が舞い降り始めた。

 こんなに大きな雪を見るのは初めて。「雷さまのフケ」もかくやと眺めている間にも、どんどん積もっていく。
 午後一時頃には、会社の前の道路では既に通行車がおそるおそる減速走行していた。

 寒波が襲ってくるのは予報されていたが、ここまで雪が積もるのはちょっと予想外。昼過ぎの気象情報ではこれ以後それほど悪化するとも思えなかったのだが、あまりにも積雪速度が速いので大事を取り、午後二時を以て本日終業の旨宣告。

 実はこれでもタイミングが半時間程遅かった。

 午後二時半前に会社を出ようとしたら、車は既に雪に埋もれている。激しく降り続く雪の中で、先ずは前後左右ウィンドゥの雪掻き。

 会社を出た途端、既に道路は混雑の極みで、殆ど進まなくなっていた。

 渋滞で停止したままなのに、車の障害物警告がピーピー激しく鳴り出す。センサーに降り積もった雪を障害物と勘違いしているのだ。

 ぼくのすぐ前を走っていたおばちゃんは、スリップで車を再発進させることができず、遂にその場で車を放棄。

 以後、同じように放棄された車を道沿いに続々と見ることになる。

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(L;Expressより) 

 普段なら車で十分の距離が今日は二時間!我がアパートまでまだ二十キロ残っているというのに。

 トラックなどの重量車両の通行制限や道路封鎖が各地で始まっていた。

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(Paris Matchより)

 特にパリの東側からドゴール空港のある北部へ抜ける高速道路がひどいことになっていたようだ。後で聞いた話によると、七時間以上かけて帰宅した社員がいた。

 それでも、路上で一夜を越さねばならなかった人々に比べれば、まだ幸せな方。

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(Le Postより)

 ぼくは、と言えば、五時間程掛けて午後七時に帰宅。これまでの帰宅最長記録四時間を更新したことになる。調子よければ半時間の距離なのに。

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 車を離れれば、こんな幻想的な光景を愛でることもできたのだろうけど。(Paris Beilより)

 除雪の遅れが大混乱を招いたと行政を非難する声が渦巻いたが、あの降雪速度では、限られた機材で道路をくまなく除雪するのは無理だろう。

 空港も間引き発着で何とかなると考えていたようだが、滑走路の除雪が間に合わず、全面閉鎖に追い込まれ、大勢の人々が空港内で一夜を明かすことになってしまった。

 ぼくらは自分の力だけでなんとかやってるつもりでいるけど、実は、他人の力をアテにしなければならない時代を生きているんだということを、また改めてしみじみ思う。

 この大雪は23年振りだとか。
 その23年前には、「零下30度の寒気がフランスを覆う30年振りの大寒波」と言われていた。

 奇しくもその両方を体験することになったのだけど、23年前はそんな感慨に耽ることもなかった。

 やっぱ、生意気盛りだったんだろうな。


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2010年12月 8日 (水)

シャンゼリゼ 冬の飾り付け

 去年の写真と何も変わるところはないんだけど、まあ一応、風物詩ということで、コメント無し、写真だけ載せときます。

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2010年12月 5日 (日)

冬のChantilly城館

 ピエールフォン城に続き、雪のChantilly城館へ知人を案内。

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 到着したのが午後三時十五分。チケットを買おうとすると、窓口のオバハンが「館は四時に閉まるんだけど」と言う。「いいよ、それでも」と答えたら、不機嫌そうな顔をして「急いで回らなアカンよ」とチケットを渡してくれた。

 大きなお世話と言いたいところだが、確かに急がにゃならん。来訪者夫妻には申し訳ないが「あんまり時間がないからねー」と告げざるを得ない。

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 雪景色もなかなかいいもんだ。
 こんな中途半端じゃなくて、もっとどかどか雪が積もっていたらずっときれいだっただろうけど、そんな状態だとここには来られなかっただろうな。

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 とにかく時間がないということで、城館内部を駆け足で回る。来訪者には、ホントすまんことをした。

 でも彼らには、夕刻までに巴里へ戻り、シャンゼリゼの冬の飾り付けと屋台を見学せねばならないという大きなミッションがあったので、タイムキーパーの身としては、四時で出て行けと言われた方が、実は都合が良かったのです。

 

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ピエールフォン城 :chateau de Pierrefonds

 この城は、日本人がイメージする「西洋のお城」そのものと言っていいんじゃないかな。

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 ぼくはとても気に入っているのだけど、日本の観光ガイドブックにはあまり大きくは取り上げられていないようだ。

 パリから車で北へ一時間半程度で行けはするが、車の他に交通手段がないので、日本からの観光客には薦めにくいからなんだろう。凄くもったいない気がする。

 ホントかウソか知らないが、マイケルジャクソンがこの城を欲しがったそうな。
 ふつーなら与太話でしかないが、マイケルジャクソンが言ったとなると、これは別。本気だった可能性は、ある。
 現在の城の所有者はフランス国家なので実現しなかったのだろう。

 ぼくはヤツのファンではないからどうでもいいけど、ここの中庭でコンサートやるとなったら、それはそれは、一大イベントになったろうなあ。

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 今年はこれで四回目。でもちっとも飽きないし、案内した人たち皆が喜んでくれるのが、何より嬉しい。
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 冬に来るのは初めてで、しかも間の悪いことに、一週間程前から大寒波がフランスを襲っていた時期。今日の来訪者は英国からで、同じように寒かったはずだと勝手に思ってたが、寒い、寒い、イギリスはこんなに寒くなかったと言っていた。

 大きな門をくぐると、緩い坂道が続く。
 季候の良い時は散歩に来ている人もいるのだが、流石に今日は人影が見えない。

 跳ね橋を渡って門をくぐると、中庭に出る。

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 雪景色の日に訪れるのは初めて。

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 この、ペリカンみたいなわけの分からん像、来訪者ご夫妻は「あー!手すりに跨って座ってるよ~、おっかしぃ~」と、いたく笑い喜んでいた。
 既に何度か見た像、これまで何の感慨も持たず看過していたのに、両名の笑い声を聞いて、あ、ホンマやなーと、ぼくも一緒に笑ってしまった。

 そんなことがあるので、ちょっとした観光案内は、苦にならないと言うより、却って楽しい。

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 この城は14世紀末にシャルル5世の第二子ルイ・ドルレアンによって造られたが、1617年にルイ13世の時代、リシュリューが率いる国王軍により破壊された。

 ふむ、北山文化の時代に建てられ、大阪夏の陣の頃にやられちゃったのね。

 当時の城攻めの武器は、投石機。その復元機が庭に置いてある。城の壁にも、これで攻撃されたような痕がある。

 その後ナポレオンⅠ世に買い取られ、ナポレオンⅢ世が建築家Violet le Ducに修復工事を命じたんだとか。

 この復元工事の写真が展示されている。これはこれで興味深い。廃墟となった時分の写真もあって、おぉ、これが今の形になったのねと、ちょっと感動を覚える。

 が、このViolet le Ducさん、独自の美意識があったらしく、修復時に随所に自分の美的感覚を織り交ぜてしまったらしい。

 だから、「完全復元」とは言えないのだろうが、それでもこの城は所謂「中世の城」、やっぱ何度見ても格好いい。

 因みに、この城のナポレオンⅠ世の買い取り価格は三千フランだったそうで、
(出所:http://informative.seesaa.net /article/114412121.html)その当時のフランの価値は千円程度だとか(出所:http: //homepage3.nifty.com/stellarium/tawagoto/franc.html)

 ナポレオンⅢ世(ルイ・ナポレオン)はナポレオン・ボナパルトの甥で、幕末の頃にセーヌ県知事オスマンと共にパリ大改造を敢行し、明治六年に死去。

 下の写真は「接見の間」。

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 下の写真はちょっと分かりにくいかもしれないけど、大広間。左手にある棚には、一々家紋が掲げられている。何とか郡の何とか村の貴族というか、庄屋というか、いざ戦となったら馳せ参じてきた面々の家紋なんだろうか。

 人っ子一人いない写真が撮れたのは、今日の天候のお陰。

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 見学通路に、この城の模型がある。

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 いかにも「戦闘用城」という雰囲気。

 下の写真は、お土産売り場に展示されていた馬と騎士のフィギュア。馬と騎士は別売で、それぞれ5ユーロ程度。

 これまで気にも留めないでいたのだけれど、来訪者がえらく気に入って数セットお買い上げ。ヒトが気に入ると自分も何となく気に入ってしまうのが、ぼくの悪いクセ。

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 帰り道は鄙びた田舎風、ではなくて、実景は何となくユトリロ風だったんけど、撮影が下手で・・・

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 この後、この写真の左手にあるブラッスリーで昼食。ここの料理は結構美味しいんだよ。

 

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2010年12月 4日 (土)

仏蘭西眼鏡屋事情

 どうにも目がかすむので、万一を考慮して眼科医へ行ってきた。

 病院は嫌いだ。

 日本ではクリニックというと、いつも大勢待合室でたむろしてて、オバハンは喋りまくるわガキは泣きわめくわで、文庫本かなんかを読んでるふりしながら、蹴り飛ばしたくなる気持ちを抑えるのにエネルギーがいるんだが、こちらでは、歯医者も含め、待っている人数は少ない。

 この眼医者でも、待っているのは常時三~四人の様子。今日始めていったきりなので、断言はできんけど。

 数種類の器具を使った検査が程なく終わり、近くが見えにくいというだけで異常なしとのご託宣。単なる老眼である。

 ちょっとホッとしたところへ、眼鏡を付けたり外したりするのが面倒なら、両方見える眼鏡もあるよと医者のアドバイス。

 その程度の診察料が60ユーロもしたというのは、本題ではない。

 その医者の言葉を聞いて、二週間程前にTVの特番で眼鏡屋の特集をやってたのを思い出した。

 その放送に拠れば、こちらでは眼鏡屋が大繁盛なのだそうだ。

 老眼だろうが近視だろうが、これだってれっきとした「病気」というコンセプト。だから、眼鏡代も大半保険で賄える。保険加入のカードを提示すると眼鏡屋は、しめたとばかりに、とにかく高額眼鏡を売りつけ、儲かって儲かってしようがないらしい。

 「これ最新モードのフレームですよぉ~。ブランドもんなんで800ユーロとちょっと高いけど、あなたが払うのは280ユーロだけでいいんですよぉ~。お得でしょ~~」

 そんなトークに「あら!そうなのぉ?それはいいわねえー」と引っ掛かってしまうのは、あながちウチのカミさんだけではないようで、自己負担分だけ見ても結局割高なものを買わされているというのが現実。

 個人負担分を超えた、「保険カバー分」は、眼鏡屋が保険会社に直接請求する仕組みで、それじゃあ、水増し請求する店が続出しても不思議はない。保険会社は請求書内容チェックに追われ、不審点は電話で問い質すのだが、そのためだけに雇われている人数が半端じゃない。

 とある眼鏡屋で隠しカメラでインタビュー。
 「水増し請求があるような話も聞いているが」という問いに、悪びれもせず
 「我々にも『間違う権利』はある」だと。

 ひっくり返りそうになった。

 そーか、間違うのは「権利」だったのか。

 眼科医が眼鏡屋と結託してるわけでもなかろうが、度付きサングラスが欲しいと眼科医に告げれば「目が光りに対して弱い」と書かれた処方箋をすぐに出してくれる。

 保険会社の覆面調査員があちこちの眼科医に行って「こういう眼鏡が欲しいんだけど」と告げると、「はいはい」という感じで処方箋を出しているのもカメラに収められていた。

 眼鏡フレーム工場が集まっている村までできてるのも頷ける。

 帰りがけに冷やかしで立ち寄った眼鏡屋であれこれ見てると、ちゃんとTVの放送通り、「保険、入ってますかぁ~?」と、釜っぽい店員が擦り寄りながら聞いてきよった。

 騙す奴、騙される奴。

 最終的に騙されているのは、一体誰なんだろね。

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2010年12月 1日 (水)

ラム酒たっぷりのお菓子 Baba au Rhum

 海産物専門のM&Vというオペラ通りに近い店に行った。

 料理はまあまあ。日本語のメニューもあるという以外は、取り立ててどうということもない。

 デザートの段階で、Baba au Rhum なるものが目にとまった。二人前18ユーロと書いてある。一人じゃ注文できないらしい。

 これは何だと尋ねたけど、聞いたぼくがバカで、説明聞いても分かるわけないが、半分にして一人前でもいいよと言う。

 何やらラム酒が入っているみたいなので、試しに注文してみたら、出てきたものがこれ。
 でっけぇ~~。

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 分かりにくいだろうなあ。
 本体はでっかいスポンジケーキで、上に生クリームが載っている。
 右上に見えるボトルはラム酒で、これをケーキに好きなだけかけろと言う。

 調子こいてドボドボかけたら、スポンジケーキなんでどんどんラム酒を吸収する。

 完全に酔っぱらいました。

 そもそもBABAってなんだ?とweb検索してみた。

 なんでも、18世紀にロレーヌ地方の公爵となったポーランドの王さんが、美味しいものを食べたいと言ったけど、歯が悪いのでkouglofが食べられんということでTokayワインを掛けたものを出したのが始まりだとか。
 babaの語源は、ポーランドの衣装とも、祖母の名とも言われているそうな。

 画像をググってみたら、こんなんが出てきた。これなら食したことはあるけど、今回のとは全然サイズが違ってた!

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寒波が来たらしい

 この週末から寒波が到来してるらしい。

 まだ11月だというのに雪が積もってる。会社の喫煙場所も雪景色。

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 四半世紀前にも二十年振りだか三十年振りだかの大寒波に遭遇した。あんときゃ、ほんま寒かった。

 零下三十度の寒気団が来襲したとかで、高速道路の至る所でディーゼルトラックが立ち往生していたものだ。

 その当時ぼくが乗っていた車はシトロエンGSAというモデルで、チョーク方式、エンジンは空冷という、日本人が聞いたら当時でも腰を抜かしそうな代物。勿論、パワステなんかじゃなかった。

 流石に今では寒さでエンジンが止まることはないようだが、フランス全土各地で除雪が追いつかず、道路が麻痺している。TGVも一部運休。
 ブルターニュ地方ではまたもや電力不足で、節電を呼びかけてる。

 五月六月は熱波が断続的に襲い、秋にはボルドー地方に台風が。豪雨による被害は各地で何度かあったし、と、今年のフランスは自然災害に見舞われっぱなしだった。

 二年前の八月に来た時には異様に寒かったし、ぼくはこの国の疫病神なのかなぁ。

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