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2011年2月10日 (木)

似非パリジャン

 それは、ワタシです。

 先日バスチーユの混雑する交差点でのこと。
 RVが停まってる左側に、競合するような恰好で車の鼻先を出して停車した。

 信号が青に変わったので、そのRV車の車線を塞ぐような恰好で発進したのだが、奴、極端にこちらに幅寄せしてきて、挙げ句の果てぼくを睨み付ける。ヘンなヤツだ、行きたきゃ先に行ったらと譲ってやったのだが、お尻のナンバープレートを見たらオランダだった。

 あ、田舎モンなのね、そら、パリのお作法を知らんのも無理ない。でもそれなら、パリでは運転せん方がいいよと独りごちたぼくではあった。

 フランスでの交通法規の一般原則に、「右側優先」てのがある。これを知らずしてフランスで車の運転するなかれ。
 だけど、何でもかんでも右優先というわけじゃない。その場に応じて微妙に優先の度合いが変わる。

 「優先」というより、その辺りになってくると、譲り合いとまでは言わないが、なんとなく阿吽の呼吸がある。それは法律ではなく、最早文化に近いんだろう。この呼吸が分からないと、パリの運転は無茶苦茶だと嘆くことになる。

 その昔日本で、「訴えてやる」みたいなキャッチフレーズのTVエンターテインメント番組があって、下らぬ事例に弁護士センセが「それは、ですね」と答えておられた。あれはバカなプロデューサーが思ったであろう以上に、日本中に害毒をまき散らしたと、ぼくは信じてやまない。

 全てを条文化できるわけではない。だから、生活の中から「常識」が生まれてくるんじゃないか。

 このRV「田舎モン」は、その辺りの呼吸を知らなかっただけなんだろうけど、それは既に罪に近い。言っちゃ悪いが、ぼくの知ってる範囲に於いては、オランダ人というのは偏狭で融通の利かない、繰り返しにはなるが、まあ所謂「田舎モン」。

 ヘーシンクがプロレスに転向した時彼は最初柔道着を着ていた。で、誰との試合でどのようなきっかけだったか忘れたけど、相手の日本人レスラーが反則を続けるので彼は真っ赤になって怒り、柔道着を脱ぎ捨てた。

 あれは、多分本気で怒ってたような気がする。彼がプロレスに転向する時、周囲はちゃんと教えてあげたんだろうか。気の毒ではあるが、それにしても融通の利かない奴だ。
 それともあれは、「これまではジュードー精神に則ってフェアプレーを心掛けてきましたが、これからはそれとは別の世界にワタシは入ります」というセレモニーだったのか。そうなのかもしれない。

 四半世紀前にオランダに行った時、知らずに自転車専用路線に三分の一位はみ出して車を走らせてたら、自転車に乗ってる奴がぼくの車を蹴飛ばした。

 後から知り合いに聞いて、そらぁぼくが悪かったらしいという事情は分かりはしたが、それでも、ね、罵る位で済ませられんもんかね。偏狭な奴らだとその時しみじみ感じ入ったことまで思い出してしまった。

 とは言え、全てのオランダ人が漏れなくそうだと決め付けているわけではござらん。そんな決め付け方をしたら、ぼく自身が「田舎モン」になってしまう。

 

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