« ランス Reims/ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Reims) | トップページ | ランス Reims 自動車博物館 »

2012年4月12日 (木)

ランス Reims シャンパンメーカー MUMM

 小学生の頃お誕生会なんかで、「シャンペン」と称するものを飲んだ記憶がある。今にして思えば、当たり前だが、あれは単なる砂糖入り発泡水だったのだろう。

 ランスはシャンパーニュ地方の首都である。あたりは見渡す限り波打った平原。

 この中の限られた地方で作られるものだけに「シャンパーニュ=シャンパン」の呼称が許される。その区画を一歩でも出れば、同じ製法で作られたものでもシャンパーニュと呼ぶことは許されない。単なる発泡ワインとなる。

 シャンパン製造上の最も大きな特徴は、発酵を促すための加糖が許されているということだろう。ボジョレ・ヌーヴォにも加糖が認められているが、これはちょっと性質が違う。

 それほど興味を持っていたわけでもないのだが、折角ランスまで来たのだからシャンパンカーヴの一つも見学してみようかと、市内にあるMUMMのカーヴを訪れてみた。

 _reims_mumm_001

_reims_mumm_047

 シャンパンなんて、見てくれがゴージャスでなくてはならない。
 受付、見学待合場所はさすがに立派なものである。

_reims_mumm_005

 なにしろ折角なのだから、普段飲めないだろうシャンパンを試飲してみるかと、一番高いコースを選択した。

_reims_mumm_006

 ぼくは今フランスに住んでいる。そして日常的にワインを飲んでいる。

 だから知り合いの皆さんは、ぼくをワイン通だと美しく誤解して下さっている。

 実のところ、なーも知らん。

 ワイン好きの連中の品評で出てくる、シャルドネ種とかピノ・ノワールという、言葉そのものは知っているものの、それらがどんなもんでどのような特徴を持っているのか、ついぞ気にしたこともなかった。

 で、このカーヴの見学コースには、このメーカーで使われている葡萄の模型が展示されていて、それがどういうものであるのか、初めて知った。

_reims_mumm_007

_reims_mumm_008

_reims_mumm_009

 大雑把に言うと、シャルドネは軽やかで、ピノ・ノワールはどっしりしているということになろうか。

 それぞれの種で葡萄ジュースを造り、それらを混ぜ合わせて一定の味を保ち続けているのだと言うことも初めて知った。

 見学コース最後で聞いたのだが、だから、シャンパンには普通、ウィンと異なり、年号が記されていない。

 それでも時々年号が記されたボトルが出る。

 これは、葡萄の出来が素晴らしく良い時には、敢えて「従来の味」とは別に、その年のシャンパンとして出すものなのだそうな。

 ふーん。

 熟成させるのに、昔はこんな樽を使っていた。

_reims_mumm_013

 が、現代ではステンレスの容器で熟成管理をしている。

_reims_mumm_012

 この現物を見ることはできなかった。

 木の樽とステンレスの中間の時代には、セラミック容器が使われていたそうだ。

 シャンパンを作るための葡萄ジュースは瓶詰め後加糖され、熟成のために最低三年寝かされる。

 その間、カーヴの中で瓶は定期的に少しずつ回され、保存の角度も変わっていく。

_reims_mumm_017

_reims_mumm_035

 この瓶を回す作業は、今では機械でやっている。そらそうだろう。カーヴに眠っている瓶は2500万本というのだから。

 糖を食べて発酵作用を終えた酵母菌の死骸が少しずつ溜まっていく。角度を変えていくのは、そのオリを集めるためだ。最後は瓶の口にオリを集める。

 昔は、一旦内部からの圧力で澱を吹き飛ばしてからコルク栓をしていたそうだ

_reims_mumm_037

 が、この方式では瓶の破損数も馬鹿にならないので、現代では、澱の溜まった部分だけ零下20度だったか25度だったかで一旦凍らせて、これを取り除くそうな。

 へ~。

 このカーヴには、MUMMが製造したシャンパンが、19世紀以来保存されている。

 売り物ではなく、伝統の味を忘れないようにするための、いわば原器であり、一般人が賞味する機会はない。

_reims_mumm_021

 でも見たところ、全てのボトルに厚い塵が積もっていたので、味を調合する職人達がここへ来る機会も極めて希なのだろう。

 カーヴ。

_reims_mumm_024

_reims_mumm_026

 一通り見て回ったら、試飲。

_reims_mumm_038

 ずらっと並べられたグラス。

 「コルドン・ルージュコースの方はこれ、デクヴェルトの方はこれ、グラン・クリュの方はこれ」と、案内人がコース別に異なる種類のシャンパンをグラスに注いでいく。

 受付で一応チケットをもらいはしたが、案内のおねえちゃん、チケットと引き替え、なんてせせこましいことはしない。皆さんオトナなので、銘々勝手に自分のコースのグラスを取る。

 ん~、だれか間違えてわしの分を飲んでしまったら、どーしたら良いのだろう、と若干不安。

_reims_mumm_041

 もともとシャンパンに興味があるわけでは無し、最初のグラス、シャルドネ種で作ったシャンパンを飲んだ時は、何の感慨もなかった。

 次に、シャルドネとピノ・ノワールを、4:6だったがどうか忘れたが、何しろピノノワールを配合した奴を口にして、これも恥ずかしい話だが、初めてシャンパンの味の違いが分かった。

 味の違いが分かってから、今自分が口にしているシャンパンは、結構上質のものなのかもしれないとの感覚が、徐々に湧き上がってきた。

 四半世紀前にフランスの子供向けの百科事典に書かれてあった記述が蘇った。

 曰く「ワインの味を修得したければ、二種類のワインを同時に味見すべし」

 今更ながら、なるほどと感慨に耽る。

 下の写真は、最高級クラスのシャンパンだそうだ。

_reims_mumm_045

 あまり期待しないで訪れたカーヴだったのだが、どうしてどうして。この世界への目が少し開けた気がした。

 確かに開けたんだろうが、今後接する機会もないだろうから、また閉じてしまうんだろうな。

 

 

 

 

|

« ランス Reims/ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Reims) | トップページ | ランス Reims 自動車博物館 »

パリ以外」カテゴリの記事

文化・芸術・宗教」カテゴリの記事

食 その他」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ランス Reims/ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Reims) | トップページ | ランス Reims 自動車博物館 »