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2012年9月 2日 (日)

おわら風の盆

 二百十日に合わせ、おわら風の盆が始まった。

 この祭りの存在を初めて教えてもらったのはいつだったろう。

 その手引きで、深夜にNHKの「越中おわら風の盆~風の盆恋歌」なんて放送を見ることになってしまった。眠たかったのだけど、目は映像に釘付けになっていた。

 この世のものとは思えないほど美しい映像だった。

 豪華絢爛という意味ではない。
 文字通り、「この世のもの」とは思えない、という意味である。

 目深に被る半月の編み笠が、凄い。

 この笠で舞い人たちは全てアノニムになる。大勢のアノニムが大気の流れに沿っていくかの如く虚空に手を滑らせる。

 ふっと止まり、そしてまた何事もなかったかのように手と足が動き出す。急ぐ風でもなくたゆたうように深夜街の中を進んでいく行列は、精霊のように見えた。
 その頃のぼくは、これが風を鎮めるためのものとは知らなかった。

 今の世の中は便利になった。

 実はパリ滞在中にも、webにアップされている舞を何度か見てた。

 素人が撮影したものとプロが渾身込めて撮影編集した映像にはこれほどの違いがあるものかと気付いたのは後になってからだ。ぼくにとってwebの動画は、記憶の片隅に残っている昔見た映像を呼び起こしてくれる触媒に過ぎなかったらしい。

 今ではこの舞いも随分有名になって、東京都内のあちこちでも披露されているようだ。

 下町長屋の辺りならともかく、かんかんと日の照る中、汚い電柱やチンケなビルが建て込んでいるアスファルトの上で舞いを披露されている方たちは一体どのような心境であろうかと、惻隠の情を禁じ得ない。

 

 

 

 

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