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2012年9月18日 (火)

ロマ(ジプシー)

 フランス大統領オランドがロマをルーマニアに強制送還すると言ったら、その方針はサルコジと同じやんけと(一部で)非難の声が上がっている。

 ジプシーという呼称は差別語とされ、本人たちはロマと称していることから、公式文書ではロマと呼ばれる。

 ぼくは特に差別感は持っていないので普段はジプシーという呼称を使うのだが、今回は数日前のTF1報道に則るので「ロマ」を使う。

 「BucarestからSucyへ」が特集のタイトル。Surcyはパリの東郊外の町。

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 ルーマニア、そしてその首都ブカレストの位置はここ。

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 放浪の民ロマは各国に散らばっており、とりわけフランスに多い。フランス国内でも定住地は持たず、絶えず移動している。

 もともと不法入国なんだから、定住できるはずもない。

 彼らは空き地を見つけてキャンピングカーを集結させ、勝手にミニ・コンミューンを形成し、そこでしばし暮らす。建築現場の近くは彼らにとって絶好の地。工事用の仮設電線から盗電できるからだ。

 土地というものは大抵誰かの所有物なんだから追い出せば良かろうと単純に考えていたが、法律上の不法侵入認定には一週間だか二週間だかの様子見期間が必要なのだそうだ。

 見た目にも不潔なので近隣住民が歓迎するはずもない。そういう奴らは強制送還してしまえという声が強いのを非難する気には毛頭なれない。

 不法入国者を故国に強制送還するのは殊更間違った行為ではない。世界中で認められているやり方で、なんら不都合はない。

 ところが、これを非人道的だとする声が一部にある。

 何故非人道と言うのか。

 ロマは欧州被差別民族であり、故国ルーマニアでも差別の対象となっているという事実はあまり知られていないだろう。否、むしろ故国での差別の方がひどいらしい。

 もっとも、出自がインド・アーリア系なので、ルーマニアが彼らの故国と言えるかどうか。人種は明らかにルーマニア人とは異なる。

 彼らは近世まで「生まれながらの奴隷」とされていた。そういう差別というのは一朝一夕にして無くなるものではない。

 ルーマニア政府はこの民族をどう扱っているかというと、全く無視している。強制送還で戻ってきた連中も、ただ放っておく。関与したくもないらしい。

 フランス政府は強制送還の際、幾ばくかの小遣いを持たせて彼らをルーマニアに送り返すのだが、連中はすぐにフランスへ舞い戻る。
 「ここルーマニアにいても食べていけない。フランスは寛容だ。我々はフランスに戻る」と言う。

 そういう中で、あろうことか、フランスナンバーの車を持っている奴までいる。どういう手順でこんな立派な車を手に入れたのかは知らん。

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 で、今ロマが大量に住み着いているのがパリ東部郊外の一画。

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 彼らが住み着いている場所は、こんな状況となっている。

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 手作りの品を売ってる奴らもいれば、おなじみ、スリ・かっぱらい・物乞いに精を出す連中もいる。

 農業地帯では低賃金の季節労働者として働く人々もいるらしいが、総体的にけっして好まれてはいない。

 それでも 何しろ建国理念が「自由・博愛・平等」の国フランスである。ロマだけでなく、イスラム教徒にしてもユダヤ人にしても日本人にしても、いて欲しくないのが大多数のホンネなのだが、公の場ではそんなことは口にしない。

 本音と建て前を使い分けるのが日本人の特質だなんて偉そうに吹聴している輩がいるが、そんなこと、ない。

 

 

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