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2012年11月10日 (土)

パリの銭湯 Bains-douches municipaux

 パリには公共銭湯が幾つかある。
 「銭湯」と書いたが、無料なので正しくは「無銭湯」と言うべきか。

 Bain_douche

 その無銭湯、ロッカールームみたいに扉が並び、中でシャワーを浴びる。

Bain_douche_2

 利用者の中には大きなバッグを持ってくる人もいるという。バッグの中には身の回りのもの一切が入っている。いわゆるホームレスである。

 学生も来る。賃貸料の安い屋根裏部屋にはシャワーの設備が無いところが多いからである。

 お金に不自由している人々ばかりではない。人品賤しからぬ人々も訪れる。このおじさんはずっとこの浴場に通っているという。風呂のないアパートに住み続けているから。

Bain_douche_3

 定期的に訪れていれば顔なじみもできる。

Bain_douche_4

 こういった公衆浴場がローマ時代からの流れをくむものなのかどうかは知らないが、今のような形で整備され始めたのは19世紀の終わり頃から。

 オスマンによるパリ大改造が行われたとは言え、水道設備のないアパートが未だ大多数だったのだろう。公衆衛生のために浴場が整備された。

 逆に言えば、江戸時代の末期までパリの一般住民、少なくとも下層階級は、風呂に入るという習慣を持ち合わせていなかったことになる。

 ゴミは全て道路に放り投げ捨てられ、その残飯処理のために豚が放し飼いにされていた当時の街角の光景を想像すれば、風呂を云々する以前の衛生状態だったことがうかがえよう。

 蛮族でしかなかったガリア(ゴール)人はローマに征服されることにより文明を知ったのだが、その光はごく一部の特権階級にのみ降り注ぎ、大衆はほとんど蛮族のまま置き去りにされていた。

 って、単なる風呂の話なのに大風呂敷を広げてもいかんな。
 頓首。

 尚、Bains-douches と銘打たれているが、湯船(bain)はない。

 

 

 

 

 

 

 

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