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2012年11月 6日 (火)

l'"essentiel", c'est qu'on"parle de compétitivité"

 「競争力」を抜きにしては語れない。

 フランスのテレビ局FR2に出演した投資局総裁 Louis Gallois(ルイ・ガロワ)はこう言った。

 この compétitivité 競争力という単語が最近やたらに耳に付く。

 起亜、現代といった韓国自動車勢の台頭を抑えようとのフランス政府提言が欧州委員会に冷笑で受け流されたことは記憶に新しい。欧州向け「韓国製」自動車は東欧で生産されている。アンタら「フランス車」も東欧で生産してるじゃないか、と。

 日本から輸出されたテレビやビデオデッキの通関をいきなり、港ではなく内陸部のポワチエに移して手続きに一ヶ月以上掛けたり、日本車のシェアを3%以下に押さえ込んだりした四半世紀前とは、状況は明らかに異なっているというのに。

 フランスの失業率が依然として深刻な状況から抜け出せないで居るのは事実だが、それはよそ者に市場を奪われているというより、資本が国外に逃げ出しているためでもある。

 間接税を引き上げ、そのアガリで公務員を増やして失業率を抑えるなんて、目先の数字をいじるだけであり、社会不安は増すだけだという事実に政府も漸く気付き始めたようで、今度は企業負担を軽減する方向に舵を切ろうとしている。

 フランス社会党がもしホンキで社会主義を信奉しているとすれば、企業優遇ともとれる施策の検討は、苦渋に満ちた或いは破れかぶれの心境なのかもしれない。

 しかしながら、EUという広大な範囲に市場を開放し、その中にいわゆる「旧東側」という貧乏な国々が含まれていれば、資本は労働力の安い方に雪崩を打って移動し、資本が移動すれば労働者の居場所が無くなるのは自明の理であった。

 ぼくら消費者は、同じ買うなら安い方が良いに決まっている。安くモノを調達したければ、より低賃金の国で作ればよい。そういう国の人々は一般にぼくらより貧しい暮らしをしているから、僅かな賃金で働いてくれる。

 そうやって浮いたお金を、ぼくらはより快適な生活へと振り向ける。

 ん?これ結局、「搾取」と紙一重なんじゃないか?

 ガロワ氏は、「この十年間で企業の利益は30%から20%に落ちた」とも言った。それが粗利を指すなら、憂慮すべき事態ではあろう。

 利益を改善するためには、価格競争に巻き込まれないものを作るか、固定費、就中人件費を抑えるか、だが、労働賃金の最頻値は最低賃金前後に集中している。だとすれば、人件費を押さえ込むには幹部連中のとんでもない給料に手を付けるのが早道だろうが、さてそこまで踏み込めるかどうか。

 

 

 

 

 

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