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2012年11月22日 (木)

亀の呪い

 曇天のせいなのだろう、それほど寒さを感じないまま、ぼくは勤め帰りの駅を降りて自宅へ向かって歩いていた。

 ふと、自分の足取りが昔と違っていることに気付いた。

 のたのた歩いているのだ。

 数年前まで「お前の歩き方は速すぎる」と誰彼と無く苦情を承っていたというのに、今ぼくの歩みは情けないほどに遅い(とは言え、普通の人が歩く程度の速さではあるが)。

 ぼくは歩くことをそれほど厭わない人間だけど、この三年半ほどのフランス勤務の際は、車通勤で殆ど歩くことがなかった。

 アタマの働きが鈍ってきたのがトシのせいなのか、歩くことを怠ってきたせいなのかは判然としないが、それでも歩きを粗末にしたツケは幾分か回ってきているのだろう。

 歩きながらふと、その昔の深夜ラジオ、笑福亭鶴光の「恐怖」コーナーが蘇ってきた。

 以下、うろ覚えでのぼくの脚色。

それは雨の降る暗い晩だった。
二人きりでいたその時に、マサオはぼくに

「おまえ、亀の呪い」の話、しっとるけー?
と口を開いた。

ぼくは恐怖におののきながら
「し、知らん」と答えた。

マサオはぐっとぼくに近付きながら言った。
「あんなー」

ぼくは恐怖でオシッコをちびりそうになりながら、それでもマサオの言葉を待った。

「あんなー、亀は、なー・・・

 のろい ねん」

 下らん話で、スマン。

 

 

 

 

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コメント

「亀は、なー」は「亀は、のー」の方が語感が良いかと・・・。

投稿: ぼのぼの | 2012年11月30日 (金) 22:58

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