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2013年2月12日 (火)

木登り

 二日過ぎたというのに、まだ腰が痛む。
 木登りなんて何十年振りだろうか。

 決してこの歳になって突如、クライマーへの転身を図ろうとなんて気を起こしたわけではない。

 庭のイチョウの木があまりにも伸びすぎて、どうあっても枝払いをせなならんという、実に切迫した状況に追い込まれてしまったのである。

 庭木にイチョウ…

 多少の想像力をお持ちなら、あんなにデカく育つ木が庭にあるなんて、さぞかし立派なお庭をお持ちであらせられるのだろうと、溜息混じりに我が家を羨まれるであろう。

 いーえぇー、我が家の総敷地面積は四十坪を僅かに超えた程度。

 と言ってしまえば、先ほど羨望の溜息をつかれた方は一転して、「アホちゃう!?」と呆れることであろう。

 わしも、アホや思いますわ。

 大分前のこと、おふくろが鉢植えのイチョウをくれた。ウチに持って帰ったらヨメが、鉢植えはかわいそうと、いつの間にかそれを庭に移植していたのだ。

 ぼくが庭を見る機会は殆ど無い。気が付いた時、イチョウは随分成長してしまっていた。

 本来ならすぐに撤去するべきだったのだろうが、ツツジみたいな灌木ならまだしも、こういう生命力の強い樹木にぼくは畏怖感を持っている。

 端的に言えば、粗末にしたら祟りがあるのではないかと恐れてしまったのだ。

 為す術も見当たらず放置したままでいた。
 そして四年近くの今回のフランス赴任から帰国して、そのイチョウがエラく頑張って成長しているのを目の当たりにした。もう二階建ての屋根を越えんばかりになっている。

 このまま成長していけば、その根は地中深く広く張り巡らされ踊り狂い、我が家の基礎はおろか、隣家にも影響するのは必至。

 こらアカン、せめて枝払いだけでもせなならん。
 枝払いは樹木が活動を停止している冬場でなければならない。

 そんなことで今般意を決して鋸片手に挑むことになった。

 しかーし!我が家の庭は狭いくせに起伏が激しく、足場が悪く不安定で脚立がしっかりしない。そんな環境で枝払いを敢行するワシもアホではある。 

しかも、ヨメも息子も加勢してくれる気配はない。

 そして案の定、作業中に脚立のバランスが崩れ、木の枝にぶら下がったままで助けを呼ぶハメになってしまった。重ね重ね情けない。

 脚立はアテにならんからと、これまた意を決して木に直接登って作業続行を試みたまでは、志や良し。

 が、それまでにいい加減に剪定してたツケで、枝の出具合がむちゃくちゃ。無理な姿勢を強いられ続け、情けなくも程なくギブアップ。
 作業は中止となった。

 

 中途半端に枝を切り刻まれた我が家のイチョウの木は、かなり歪んだ形ではあるが、それでもすっくりと寒風に伍して屹立している。

 昨日今日と痛む腰をさすっているぼくではあるが、「アタシだって散々痛い思いをさせられたんだから、その程度我慢しな!」とイチョウの木が横目で囁きかけているような気がしてならない。

 すまんなあ…

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