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2013年12月19日 (木)

justice = 正義?

 しばらく前に評判になったマイケル・サンデル著、「これから『正義』の話をしよう」。

 読み進むなか、ずっと違和感があった。

 この教授がこの場で講義している内容は、「正義」・・・か?

 たとえば、これは有名な例ではあるが、爆走してくる電車がある。そのまま看過すればその先で五人の命が電車の下敷きとなるが、自分の目の前にいる男を線路に突き落とせばその五人の命は救われる、という命題が提示される。

 自らの手で一人を強制的に死に追いやり五人の命を助けるのも、自分は手を下さずに五つの命を見殺しにするのも、今の自分の行動一つに掛かっている、というわけだ。

 果たしてこれは、「正義」に関する命題なのだろうか?

 「義」とはすぐれて思想的なものである。
 天皇を尊敬する者にとって、天皇を侮辱する者を許すことはできない。これが「義」である。そして、逆もまた真である。

 拠って立つ思想を抜きにして「義」はありえない。

 サンデル教授が提示しているのは、あなたがたの常識で考えて、どっちを採る?という投げかけだけだ。実際、彼は結論めいたことは述べない。

 原書のタイトルは「JUSTICE」。

 OXFORDのweb辞書に拠れば justice とは、「the fair treatment of people」。

 では、faireとは何だというと、「acceptable and appropriate in a particular situation その状況に於いて合理的として受容できること」とある。

 faireを「公正」と翻訳してしまうと、また少しズレが生じるだろう。

 この講義の中で教授が生徒に繰り返し投げかけているのは、「君の判断基準を確立したまえ」という、思考スキルのブラッシュアップの促しであって、「正義」を説いているわけではない。

 出版社は分かった上で本書の邦題を正義云々としたのだろうか。でも、随分売れたようだから商業上はオーライ、かな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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