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2013年12月 4日 (水)

歩き方

 「なによ~、アナタの足の裏、真っ平らじゃないの~」

 あぐらをかいて座ったぼくの前でおふくろが指さしながらケラケラと笑った。

 「子供の頃はもっとちゃんとした土踏まずがあったはずなのにぃ」と追い打ちを掛ける。

 あらためてしげしげと眺めてみると、なるほど確かに平たい。

 世間で言うところのへんぺー足  ( ̄。 ̄;)

 漫画「テルマエ・ロマエ」では、日本人を「平たい顔族」と表現していた。ぼくは同時に「平たい足族」でもあるな。

 土踏まずは歩行中のクッションの役割を果たすという。
 そしてまた、人間の体や器官は使われないければ退化していくとも言う。

 してみると、ぼくの土踏まずが退化したのは歩かなくなったことに原因があるのだろうか。

 歩くのを忘れたのはいつの頃からだろう。

 子供の頃は歩くのは全く苦にならなかった。徒歩一時間なんて、屁とも思わなかった。
 齢(よわい)四十代でも、目的地まで四キロ程度でバスの待ち時間一時間という状況だと、それなら歩いても到着時刻は同じやんと、躊躇なくバスを待たずに歩き始めていたんだが。

 歩くのが多少億劫になってきたのはトシのせいだけやろか。

 歩き方が崩れてきているのかもしれない。
 けど、正しい歩き方って、どんなん?

 踵(かかと)から着地せよと勧める人もいれば、踵着地は膝と腰の関節に過大な衝撃を与えるからいかんと唱える人もいる。

 悩んだ時は先人の知恵を借りるに限る。江戸時代の日本人はどんな風に歩いていたんだろう。

 戦国時代の武将の嗜みであった能楽。その歩法は腰にタメを作った摺り足である。

 しかし、能楽の前進歩行は僅かに踵着地。それ、草履や下駄には向いとらんのではないかいな?

 そんなことを考えてたら、高橋尚子の走り方レクチャーのビデオに出会った。彼女は一直線上に足が着地する走りをすると言う。

 直線上の左右に足跡が残るような走り方より、一直線上に足跡が残るように走る方が腰が入る、腰が入ることによって1cmくらいは歩幅が広くなる、一歩で稼げる距離が僅か1cmでも、フルマラソンとなると、積算すれば大きな差になるというものである。

 明治の「文明開化」以前、日本人は皆和服を着ていた。当たり前だけど、鳶職とか飛脚はそーじゃないけどね。

 和服は踝(くるぶし)まで包まれているので大股では歩けない。一歩の距離を稼ごうと思うなら、腰を入れて歩かねばならない。しかし、ぼくらが小学生の時に習った左右の腕と足が逆に前に出るような「体育歩行」では、充分に腰が入らない。それに、着物全体がよじれ、裾捌きが汚くなる。

 「ナンバ走り/歩き」てのがちょっと話題になった時期があった。
 右足が出るときは右手も前に出し、左足が前に出るときは左手を前に出すという、江戸の歩法であるとの触れ込みだった。

 その提唱者には多少敬意を持っていたので試してみたけど、自分にはとても合わない歩き方で、すぐに諦め、忘れたままになっていた。
 「体育歩行」のように勢いよく手を振りながら右手と右足、左手と左足を揃えようとしたことに無理があったらしい。

 その「ナンバ」、そないに気張らんでも、単純に右半身と左半身を繰り返せば良いことに気が付いた。

 昔見た時代劇、武士が袴をつまみながら膝行でにじり寄っていく、あのやり方だ。

 ああ、そやったんかいな。手は勢いよく振らんでよろし、上体は捻らんと安定させたままで骨盤だけぐいと出せばええんやな。

 実は、最近これにかなり近い歩き方をしていた。「腰で歩く」という感覚を持って歩くと、結構楽で歩幅が勝手に広くなることには気付いていた。

 これに重心移動を加えると、自動的に半身開きの歩き方となり、前進するための蹴り出す力が不要になる筈である。

 あれこれ悩みつつこの一週間ばかり、手探りつーか足探りでいろんな歩き方を試してたら、腰を痛めてしまった。

 やっぱ我流はアカンらしい。

 何事にも先達はあらまほしきものなり、である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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