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2014年6月

2014年6月24日 (火)

空瓶回収

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 パリの街角で時たまお目にかかる、ゆるキャラみたいな面妖なるこの緑色の樹脂製の樽状設置物が何者なのか、当初ぼくにはよく分からなかった。

 当たり前だ。こんな使い方をされるものが路上にでんと構えてるなんて、誰が想像するもんか!

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 そう、これは瓶回収容器なのである。

 お断りしておくが、普通のアパートならちゃんとゴミ捨て場があって、そこに瓶を捨てる専用の容器も備えられている。路上へ出てこういう容器のあるところまで空瓶を持って行かねばならないわけではない。

 というわけで、用途が分かって以降も首を捻っていたのだが、それでもこういう回収容器を歩道にでんと置かねばならない事情がパリにはあるのだろう。

 回収された瓶はこんなふうにコンベアに載せられる。この段階では紙だろうが傘だろうが、もういろんなものが混じっている。、

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 ガラス以外のものを手作業で取り除いた後、破砕機に掛けられ、次なる工程へ。

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 さまざまな色が混じっているガラス屑が吸い込まれていくこの機械。

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 上の図、3次元CGのスクリーンショットでは何のことやら分かりにくいだろうが、ここに入ったガラス屑は上から下へと落ちていく。その落下途中、センサーが瞬時に色を識別し、色毎に異なる方向に風圧で吹き飛ばす。そしてめでたく、それぞれ同色別にガラス屑が回収されるという仕掛けになっているのだ。

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 この装置のお陰でガラス屑は、簡単に安価にリサイクルに回せるようになる。しかも、一度溶けた物質なので、瓶工場で再び溶かす際の溶融温度が低くて済むらしい。光熱費は三割ほど安いという。

 こんな装置があるなんて、寡聞にして知らなかった。

 ちなみに、一般のアパートで出た空き瓶には専用の回収車を使う。

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 空き瓶ゴミ箱はこのように虚空高く引っ張り上げられ、最後はブレーン・バスターもどきに頂上で真っ逆さま。入っていた瓶は回収車の底に落下し、瓶の砕け散る派手な音が周囲に響く。

 初めてこの光景を目にしたとき、そやったんか、自分はこれまでいらんことしてたんやなと嘆息した。

 アパートに設置されている空瓶専用ゴミ箱は上部に丸い穴があり、その穴は切れ込みの入ったゴムで覆われていて中が見えなかった。容器の丈はぼくの胸の下辺りまでの高さがあった。

 しこたま溜まったワインの空き瓶を捨てるときはいつも、ちょっと中を覗いて、中に入っている瓶が少ないようだと、いっぱいに腕を突っ込んで底の方にそーっと置くようにしていた。割れることのないようにとの気遣いからだった。瓶はそのままの形でリサイクルされるものだと思い込んでいたのだ。

 なんじゃ、回収時点で粉々にするんかい!

 この光景を見て以来、ぼくは心置きなくぞんざいに収容器に空瓶を放り込むようになったのである。

 

 

 

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2014年6月21日 (土)

フランスの若者も運動不足?

 「健康のために一日一万歩」のかけ声はフランスも同じ。
 然るに、昨今の若者はあまり歩かないようになっているとFR2が報じた。

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 18~24歳の平均歩行数は一日7300歩で、65~75歳と同じ程度だという。

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 これは若者たちがディスプレイの前で過ごす時間が長くなったせいだと、まあその程度の内容だった。

 なんだか食い足りないので、元ネタAssureurs Prévention(保険業界)のレポートに当たってみたけど、統計の紹介だけで大したことは書かれていない。歩数調査は三年連続で行われており、今年は調査対象が中・高生まで広がった。

 この報告書でぼくにとって役に立ったのは、

L’enquête d’Assureurs Prévention révèle que les adolescents âgés de 11 à 17 ans font en moyenne 7 966 pas par jour.

 という下り。

 ニュースの中で”adolescent”という語は頻繁に出てくるのだが、正確な意味を知らないまま「前後の文脈から見て、多分未成年、中高生あたりなんだろう」と見当を付けるのみだった。ここに11~17歳と書かれているので、推測は間違ってはいなかったようだ。

 それはともかく。

 何らかの運動をしているのは全体の半分以下(49%)で、そのうち65%は「健康のため」がその理由であり、楽しむためと答えたのは僅かに15%。

 フランス人、というより西洋人は体を動かすのが習性だと思っていたぼくには「へ~ぇ」である。

・・・ les lycéens s’en rapprochent davantage avec 8 386 pas par jour contre 7 710 pour les collégiens ・・・

 高校生の平均歩行数は8,386歩で、中学生の7,710歩より多い。
 これはある意味当然で、高校生くらいになるといっちょ前に fête(宴会)で頻繁に出歩く機会が増えるからだろう。ゆーても、平均で600歩の差というものがどの程度の意味を持つのか、ぼくには分からん。

 この調査で歩数をどのように計ったのかは分からないが、歩数計を付けさせた若者が夜中の二時頃までダンスに興じれば、計測器の値は随分と跳ね上がることだろう。

Au collège, les adolescents sont 61 % à pratiquer une activité physique ou sportive. Ce taux tombe à 56 % lors de l’entrée au lycée.

 何らかの運動をしている中学生が61%なのに対し、高校生は56%だということになっているが、fêteで興じるダンスも「運動」なのだよと言ってやれば、高校生の「運動率」はもっと上がるはずである。  

 ところで日本はどうなのか。

 厚生労働省の「平成22年 国民健康・栄養調査結果の概要」によれば、20~29歳の男性で8,322歩、60~69歳で7,092歩とある。

 巾の取り方に差があるから単純比較はできない。二十代後半になれば会社通勤者が大きな割合を占める。都会の通勤者は、電車の乗り換えなんかで意外に歩かされている。

 一万歩とはどの程度の距離に相当するのだろう。

 歩幅を70cmとすると、7km。

 一日7kmはなかなか難しいぞ。ぼくの通勤距離を大甘プラス目に切り上げても、合計で片道で2km。推奨距離には遠く及ばない。

La sédentarité est aujourd’hui le 4ème facteur de risque de mortalité après l’hypertension artérielle, le tabagisme et le diabète.

 運動不足は、高血圧、喫煙、糖尿病に続く死因の一つなのだそうだ。

 退職後何年かで、あっけなく死んでしまう男が多いと聞いたことがある。いろんな要因があろうが、あまり人と交わらず家に閉じこもって運動不足に陥ってしまう人が、そうなりやすいんだろうか。

 ヘビースモーカー且つ大酒飲みでパソコン・ジャンキーのぼくは・・・

  ( ̄へ ̄|||)

 

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2014年6月18日 (水)

フランス国鉄のスト 2

 フランス国鉄のストはまだ続iいており、遂にはパリのモンパルナス駅で列車運行妨害という強硬手段にまで及んだ。

  ノ( ̄0 ̄;)\

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 アンヴァリッドには1000人(警察発表)~3500人(主催者発表)が集まり、機動隊と衝突。

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 ストの組織率は日を追うに従って下がり、スト参加率は14%にまで落ちているのだが、この14%が人々の足を奪っている。

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 えっと、ね、上の写真はスト参加者ではなくて、間引き運転列車を待っている人々です。

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 このストに反対する国民は76%との世論調査。

 ストには同情的なにフランス人もさすがに怒ったか、と思うか、それでも四分の一が指示していると見るか。わりとびみょーな数字。

 この一週間のストによる損害額は100百万ユーロ(100億円)に上るとは、SNCFの弁。

 フランス全土を混乱に陥れているこのストは、鉄道改革法案反対というもの。

 FR2によれば、鉄道改革の趣旨は、

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 競争の自由化。鉄道市場を外国にまで門戸開放しようというもの。

 それに備えSNCF(鉄道運行)とRFF(鉄道インフラ保有主体)を一体化しようというのが骨格で、そうなれば体制・組織構成も変わらざるを得ない。

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 となると、いろんな既得権が奪われる人々が出てくることだろう。一部の職種に認められている年金の前倒し受給だとか。

 勤務先に全幅の信頼感を持てるのならば、労働者だって渋々ながらも経営者についていこうとするだろうけど、このSNCF、、新調したばかりのTERの車両が、大きすぎて一部の駅のプラットフォームに入らず、プラットフォームの方を削る工事をしてるなんて醜聞が、つい先頃明らかになったばかり。

 なんだか、どっちもどっちだなー。

 でもって、昨日も書いたけど、これほんとうに社会党政権がやってることなんだろうか。経済低迷、失業率の高止まりからオランドの人気はがた落ちだけど、今やるべきことをやっとかんといかんという政治的な意気込みには感心する。
 

 

 

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2014年6月17日 (火)

フランス国鉄のスト

 国鉄のストは、もう五日くらい続いてるんじゃなかったっけ。

 ストそのものは珍しくもないが、今回は随分大規模だ。TGVなんかも大幅に間引き運転されていて、各地で不満の声が高まっている。

 スト参加者は48時間前までに申し出ることになっているので、それをもとにSNCFは列車運行予定を立てるらしい。webサイトに刻々と運行状況が示されている。

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 国鉄改革反対がストの錦の御旗なのだそうだが、日を追うに従ってスト参加者は減り続けている。

 過激さで知られる労組CGTは「政府が悪いんじゃ!」と叫んでいるが、スト慣れしているフランス人もさすがにいらついてきている。

 しかも、16日はbac(バカロレア)の試験の日だというのにスト続行。国鉄側では間引き運転で超満員の列車に学生が優先的に乗れるように手配したり、降車駅からタクシーで試験場に送ったり(タクシー代は当然国鉄持ち)と右往左往。

 ストを続けるほどに労組に対する国民の不満は高まっていくだろう。

 ところで、現政権は社会党。本来なら「労働者の味方」を気取らねばならないはずで板挟み状態なのだが、首相のヴァルスは毅然として立ち向かっている。

 彼の思想に言及する力はぼくにはないが、政治家としてスジの通った男であることは確かなようだ。

 受験生には受難の日だったbac初日の試験は哲学。

 選択式設問の中に、こんなのがあった。

Vivons-nous pour être heureux ? ひとは幸福のために生きるのか?

 四時間かけて問いに答える。

 「幸せ」とはなんであるか、人は生きる上でどんな目標を持つのか、そんなことを交えながら明快な論理展開が要求される論述式。

 別の選択肢には、こんなのもあった。

Peut-on agir moralement sans s'intéresser à la politique? 
政治に無関心であっても、人は道徳的に行動できるか。

 こういう問いかけに筋道立てて他人に説明できる人間を育成しているのが、フランスなのである。

 

 

 

 

 

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2014年6月 8日 (日)

ひっでぇワインにぶち当たってしまった

 近所のスーパーにぶらりと立ち寄ってみて、ワインが置いてあるのに気付いた。

 スーパーで、ワイン、ね・・・

 一本400円に満たないお値段。パリでこの価格帯で満足するものに出会ったことは一度もない。

 ただし、ぼくが呑んでいたのは常にフランスワイン。今日出会ったのはイタリアワインの赤で、その名はSANTA SUSANNA。販売元は三井食品株式会社。

 どちらも知らんけど、でも、スペインやイタリア産なら安いものがあって当然かもしれないから、ものは試しと買って帰った。

 ワイン栓抜きを探して、いざ、と構えたら、栓はスクリュー式だった。

 一口飲んで、あ、こらぁあきまへん。薬臭さが口の中一杯に広がる。

 イタリア国内でのSANTA SUSANNAというワインの評判がどうなのかは知らんけど、日本で売られているものは手を出さない方がよろしかろう。翌日頭痛の元となる可能性、大。

 おまけ
 ワインを商っている方のHPに、「ワインを飲むと頭が痛くなりませんか?」というページがある。直リンは避けるけど、なかなかに興味深い話が書かれてる。
 

 

 

 

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2014年6月 7日 (土)

フランス 価格破壊の10ユーロレストラン 

 10ユーロといえば、昨今の為替相場で円換算すれば1400円。

 昼食でこのお値段のどこが「価格破壊」じゃ!」と怒ってはならない。フランスの物価は日本円換算基準じゃないんだから。

 とエラそうに書きながら、フランス・フラン40円の時代に渡仏した時分、先達に20フラン程度で食える飯屋はないものかと尋ね、あきれ果てた顔をされたことを思い出す。

 そんな個人的な思い入れはともかく、FR2がわざわざ「prix cassé 価格破壊」と報じたんだから、フランスでは10ユーロではなかなかメシにありつけないと思し召されたい。

 トゥールーズのとある店。

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 9.8ユーロ。仕入れによって内容が変わるから、毎日黒板に書き出して入り口に置いておく。

 安さの秘密をシェフに聞いてみた。

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 「安い新鮮な素材を手に入れること。今日は格安の鯛を仕入れたんだ」

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 「肉も何もかも、余すところ無く全て使いきる。市販のソースを買う必要もない」

 この店、entrée(前菜)+plat(主菜)+dessert(デザート)+グラスワイン でこのお値段というから、驚く。

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 もちろん原価管理には細心の注意を払う。plat=メインのお魚さんは1ユーロ.90サンチーム、付け合わせは30サンチーム・・・という風に。

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 ご注文をどうぞと差し出されたcarte(メニュー)を受け取る前に、この兄ちゃん、「表にある "plat du jour" にするわ」と。大半の客が格安ランチがお目当て。

 皆が店にとって利幅の薄い"plat du jour"ばかり注文したら困らないかとシェフに尋ねると・・・

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 彼は、"C'est leur droit (お客様のご注文ですから)"とさらりと答えた。

 このような価格設定の場合、食後のコーヒーは含まれていないのが普通。こういった店ではコーヒーが貴重な利益となるので、menuが気に入ったらチップの意味も込めてコーヒーを注文するものだと聞いたことがある。

 もっとも、フランス人なら大抵食後にはコーヒーを呑む。口の中の油を流す作用もあるからだろう。

 もう一軒。

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 こちらはぐっとモダンな感じ。

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 前菜、主菜、デザートを、それぞれ四種類の中から選べるようになっている。

 この店の安さの秘訣は、調理を外注にしているから。

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 「外注にしたおかげで人も減らせた。冷凍食品も使うよ。生鮮食品は高いからね」。

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 外注業者との価格交渉で武器となるのは「数」。
 「ウチのモットーは客を待たせないことだ」と言う。出来合いを仕入れるだけだから、たしかにすぐに料理を出すことができるだろう。そうやって回転率が高くなれば、数も稼げるだろう。

 安くするための異なるアプローチの紹介だった。

 後者の店は外注だからまだ良い。レトルト食品みたいなのをそのまま出してくる店もある。何でも安けりゃ良いってものでもない。

 

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