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2014年10月12日 (日)

無線機器は便利ではあるが Les dangers des appareils connectés

フランスFR2のEnvoyé spécialは実に興味深いルポ番組なのだが、このところwebで見られなくなってしまった。

 視聴できないのが、ぼくがcookie拒否設定をしているためなのかその他の理由なのかは分からない。ふと、youtubeは?と思い付いて探してみたら、アップされている番組が結構ある。

 その中で目を引いたのが、これ。 Les dangers des appareils connectés。

 「繋がっている機器の危険性」なんて直訳しても何のことか分からないだろう。スマホをはじめとして、いろんな無線繋がりの機器から個人情報がダダ漏れになっているというお話。

 取り立てて目新しい話ではないとは言え、実証付きの映像で見せられると、ちょっとぞっとする。

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 自宅の門の開け閉めから様々な家電までをスマホでコントロールしている人は今や珍しくもないのだろう。

 確かに便利ではあろうが、スマホから送信される情報は傍受可能だという。

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 FR2取材班の依頼に応じて傍受を実証してくれたのがこの男。

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 スマホで家電をコントロールしている人物に、自宅の機器を遠隔操作してもらうと・・・

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 半時間ほどで、家の中の何がスマホでコントロールされているか、その内訳がパソコン画面に表示された。

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 奥の男性が、(取材に協力して)ハッキングされた本人。
 ほら、ここまで分かるよと説明を受けているその顔は複雑だ。

 このハッカーはその後、世界中の何千ものアクセス可能なトラフィックを見せてくれた。その中で、パリの見も知らぬ家にアクセスしたところ、その家の照明の自動点灯の時刻や消費電力まで分かる。ハッキングされた人物の行動パターンがある程度読み取れるということである。もちろんこれは違法行為。

 所変わってニース。様々なサービスの無線化でニースはフランスのトップクラスなのだそうな。街灯の明かりまで自動探知によるコントロールを行っている。

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 駐車料金だって車に乗ったまま、スマホでクレカ支払いOK。いちいちパーキングメーターまで足を運ぶ必要もない。もう、ドライブスルーのハンバーガー屋と同じ感覚だ。

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 ところが、この支払いに関する情報は、結構簡単に盗聴できるという。

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 このシステム、本人認証機能がないので暗号化されておらず、通信を傍受するだけでクレジットカートの番号から暗証番号まで読み取られてしまう。

 俄には信じられないだろう。

 「その道のエキスパート」による実験である。先ずスタッフが自分のクレカで駐車料金を支払う。「エキスパート」はクレジットカードの番号と暗証番号を難なく傍受。

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 「これからあなたのクレカを使って駐車料金の支払いをするよ」
 その場で二度、傍受した情報を元に駐車料金支払いを実行。

 後日、スタッフのクレジットカード引き落とし明細書には、その料金が確かに記載されていた。

Facture

 この駐車場のシステムの場合傍受できるのは200m圏内に限られているようだが、それとは別に、彼は街灯のシステムにも侵入して明かりを瞬間的に消灯してみせた。

 スタッフはニース市庁舎に出向き、技術責任者にこれらの結果を告げた。

 「我々は充分なテストを行っている。そんなことはありえない」と、話を聞いている段階では余裕綽々の笑顔で答えていた責任者だったが、スタッフが映像をPCで見せると・・・

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 彼はいきなり途中で話を打ち切り、逃げるようにそそくさと部屋から逃げ出してしまった。

 このシステムを請け負ったCISCOという情報機器会社から後日スタッフ宛に連絡が入った。「あなた方が指摘したような件はこれまで、そしてその後もいかなる報告もない」と。
 (これじゃ何の説明にもなっていないと思うんだけど) 

 ところで、まさか、テレビは・・・

 近頃のテレビはweb接続できるものが売り場の半分を占めているらしい。

 「なんだかテレビの広告がおかしいと思ってPCに繋いで解析してみたら、このテレビで何を視聴したかという情報が勝手にメーカーのサーバーに送られていることが分かった」と静かに憤るイギリス人。

 「そればかりか、HDに保存してある家族の写真をテレビで見た情報まで送信されていた。これはショックだった」と。

 それぁーショックだろう。疑り深いぼくでも、そこまでは。(我が家はケーブルTVだけど、大丈夫かなあ)

 お次は(この放送では冒頭に出てくる)スマホで管理できる健康器具のお話。

 最近の体重計は、測定値をスマホに送信する機能も備えているらしい。

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 この奥様、購入後早速スマホとの通信をセット。体重計だけど、年齢とか身長とか、多分いろんな情報を入力しているのだろう。それら入力された値は、実はメーカーのサーバーにも送信されている。

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 そういった器具を販売しているメーカーのサーバーには、個々人の健康に関する膨大なデータが蓄積されている。

 フランスでは『今のところ』健康に関する個人情報の売買は(オフィシャルには)ないらしいが、アメリカでは既に始まっている。健康保険会社が有力なクライアントの一つらしい。

 情報のお値段は、身長とか靴のサイズや体重といったものが各々0.15ユーロ、携帯電話番号が0.60ユーロ、e-mailアドレスが0.15ユーロ等々、〆て、お一人様当たり2.69ユーロ程度といったところらしい。

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 この分野の市場は2020年には1000億ドルになると見込まれている。

 個人の身体健康情報収集が公に認められるようになれば、健康保険料が毎年あるいは毎月変わるようになるかもしれない。

 最後は健康オタク。

 ジョギングシューズの底にチップを埋め込んで走行距離をスマホに送り、脈拍から何からスマホに登録して人一倍健康管理に気を遣っている男性。

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 彼は毎月一回採血までしている。これらの情報は全て彼の健康を管理している会社に送られ、それに基づいた詳しい健康管理アドバイスが送られてくるのだという。

 彼はもちろん、運動から食材に至るまでその指示に従っている。

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 「××が足りないようだから、○○を摂取しましょう」といった類のアドバイスが来るわけだが、そのアドバイスに特定の食品を忍び込ませられるなら、この「健康アドバイザー」も立派な販売促進の武器となり得るわけだ。

 何でもスマホで管理するのがトレンドになっているが、膨大な情報は外部サーバーに蓄積されていく。家電やクレカ支払いは別々の接続だとぼくらは思い込みがちだが、スマホを介してのやり取りである。これらの情報が電話番号とヒモ付きなっていても、何の不思議ではないよね。

 今の自分はスマホを持っているわけでもないが、見終わってなんだかげんなりしてしまった。なのい、ついつい下の番組録画も見てしまった。

  Les cybercriminels サイバー攻撃
 ハッカー/クラッカーの実態。これ見たら、web接続そのものが怖くなるぞ。

  Smartphones sur écoute スマホの傍受
 それでもアナタはスマホを使い続けますか?と言わんばかりの内容。
 他人のスマホに接続するだけで、暗証番号なしで全てを読み取れる機器の存在は、ぼくにとっては驚天動地だった。 

 通信てのは、ぼくら素人には何がどうなっているのか全く分からないから厄介だ。厄介だということすら自覚せずに自分をどんどんあちこちに繋いでいく人々が増えている。

 これでグーグル・グラスが一般的になってしまったら、本当に個人の一日が映像付きで全て他人のサーバーの中に蓄積されていくことになるんだろうなあ。

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