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2014年11月 7日 (金)

フランスの葬送学校

 なんだか珍しい特集をFR2でやっていた。

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 immersionという語はFR2のニュースにしょっちゅう出てくるのだが、正直、意味がよく分かってない。「潜入」ルポみたいな謂なのかな。

 l'école des pomps funèbre つーのは、「格式葬送学校」とでも訳せば良いんだろうか。

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 棺の担ぎ方の指導。単に担ぎ上げればいいってもんじゃぁないらしい。

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 「あー、持ち方はそうじゃない、そこはね、こう」「あ、さいだっかー」と、細かい指導が入る。

 以前にボルドーで火葬に参列した話を書いたが、フランスでは今でも土葬が主流。参列者が見守る中で墓地まで棺を厳かに担いでいくってのは、式を盛り上げる・・・と言っては不謹慎かもしれないけど、やっぱ大事なんだろう。担ぎ方に流派があるかどうかまでは、この報道では言及してなかったけど。

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 女性も担ぎ役をやるようだ。勿論、本番ではこんなにこやかな顔をしていてはならない。

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 棺への遺体の収め方も、当然研修の一環。

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 どういう風に遺体に礼を尽くすか、学習者一同でシミュレーションを行う。

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 棺の蓋はネジ回しで止めるのか。

 父方の祖父が亡くなったとき、葬儀も納棺も本人の自宅で行われた。庭の石で親族が棺の蓋を釘で打ち付けていた。

 厳格な親父が涙を流しながら釘を手に持った石で打ち付けていた場面を、何故かよく覚えている。

 実を言うと、その当時小学生だったぼくは、じいちゃんがあまり好きではなかった。別に酷く叱られたとかいうわけでもないのだが、何となく気が合わなかったのだろう。

 だから、特に思い入れがあったわけでもないのだが、それでも、ぼくらの時代には、好き嫌いを超えて、人が死ぬというのはどういうものかを、こういう場面に強制的に立ち会わせられることで感じ取ってきたように思う。

 棺を家から外に出すとき、壁に穴を空けて出棺したのかどうか覚えていない。

 家の壁を壊してそこから出棺し、埋葬後その後壁を急いで修復する。そうすれば、現世に未練を持つ死霊が葬られた場所から逆ルートを遡って自宅に戻ろうとしても、そこには壁が立ちふさがり、入っていけない。そこで死霊は仕方なく元の場所に戻るのだという説を目にしたのは、それから随分後のことだった。

 そういう風習が単なる迷信によるものなのかどうか。
 ぼくは大昔、そういう世界が見える人が今より沢山いたのだろうと思っている。

 もしそういう風習が故(ゆえ)あるものだとするなら、現代風の何とかセレモニー会場みたいな所で葬儀を済ませ納棺して火葬場へ行くのは、随分と理にかなっていることになる。

 ぼくがフランスで葬儀に立ち会ったのは、既に納棺された後の教会の中からだったから、自宅でどのような儀式が行われたのかは知らない。最後のミサを終えた後、棺は霊柩車に載せられ火葬場に着き、牧師が引導を渡した後、その目の前で棺は焼却炉に流れ込んでいった。そんな流れだったから、棺が担がれたのは僅かな時間だったろうと思う。

 もしそれが一般的なのなら、こんな学校の卒業者資格はそれほど重んじられないだろうが、それでもこういう研修機関が存在しているというのは、やっぱり需要があるからなのだろう。

 厳かな葬儀って、死者のためにあるものなのか、残された人々のためにあるものなのか、通夜や告別式に立ち会う度にいつも質問が心に去来しながら、今に至るまで答えを見付けられずにいる。

 

 

 

 

 

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