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2017年8月

2017年8月 7日 (月)

EV 電気自動車 は二十年後に欧州を席巻するか

 欧州各国が車の動力を、内燃機関から電気モーターに一気に切り替える方針を打ち出した。

 「コンパクト・ディーゼル」の登場で日本の自動車メーカーが右往左往しているというニュースを目にしたのは、つい二、三年前のことではなかったか。

 窒素酸化物を大量に吐き出すディーゼルエンジンが人体に良いわけがないというのがぼくのかねてからの持論だし、その「コンパクト・ディーゼル」の効能書きが実はウソだったというのがそういったラディカルな方針打ち出しに寄与したんだろうけど、それはさておき。

 もしホントに車の内燃機関方式エンジンを全て電気モーターに切り替えるとすれば、産業構造は大きな変革に直面することになる。

 内燃機関は多数の精密な部品の集合体だ。それが電気モーターに置き換わなら、モーター部に関する限り、新規参入のハードルが大幅に下がることになる。例えば、シリンダー内径とピストン径の精緻な公差など不要になる。写真機の一眼レフが不要になってデジカメに移行するようなものだ。

 部品産業の裾野は決定的に変化することになる。

 もう一つ、ここで最重要になってくるのは、エネルギー源としての蓄電池の技術。

 現在商業的に実用化されている一般的な高密度・高出力エネルギーと言えば、リチウムイオン系のバッテリーだが、これは製造工程も取り扱いもとても難しい。生産設備を倍増したからと言って、単セル使用用途とならともかく、組電池に使える完成品が単純比例で倍増するわけではない。
 (単セル使用用途でも、安全確保のためには製造工程に細心の注意が必要。詳しくは「熱暴走」とか「ばらつき」とかいったキーワードを交えてweb検索されたし)

 リチウムイオンバッテリーは引っ張りだこで、既に需給は逼迫しつつある。なのに、今後の欧州での新車販売全てを賄える蓄電池の供給が二十年以内にホントに可能なのかと訝っていた。

 が、論文段階ではこれを上回るモノができているという記事が目に入った。

 「次世代電池を牽引する、全固体電池開発
(東芝も高性能リチウムイオンバッテリーを持っているらしいが、ぼくにはよく理解できないのでパス)

 上記引用記事をぼくが正確に理解しているわけでは勿論無いが、正極と負極の電解質液を「固体電解質」に置き換えられるとすれば、セパレータ破れによる正極・負極の短絡=爆発の危険性が大きく抑えられることになるのではないか、だとすれば、巨大爆発事故を避けられる可能性があるのではないかという希望が持てる。

 自分が理解できていない技術のことをあれこれ賢しらに語っちゃいけないんだろうけど、ニッサンとテスラの合弁プロジェクトはどうなるんだろうとか、実用化は目前と言われて久しい燃料電池はどこへ行ってしまったんだろうとか、この方面への興味は尽きない。

 

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2017年8月 5日 (土)

ユートピア utopia

 ユートピアが何なのか改めて考えたこともなかったが、「全世界史講義」(出口 治明)の中に、ギリシャ語のユー(無い)+トピア(場所)、トマス・モアの造語とあった。
 「あり得ない場所」とでも解釈するべきなのだろう。

 「無い」&「場所」と言えば、当然ビートルズの”Nowhere Man”が思い起こされるが、歌詞を思い出してみるとちょっと違うかなー。
 ”Neverland”てのはこれに相当するんだろうか。

 トマス・モアの「ユートピア」はタイトルは知っているが読んだことない。
 Encyclopædia Britannicaによれば、キリスト教にガチガチに縛られていた16世紀の英国に対する批判で、理性が支配する世界こそが理想郷、共産主義的な思想とあったので、ぼくらが勝手に想像する「楽園ユートピア」とはどうも趣が異なっている。

 日本語版wikiによるユートピア解説の一部。

ギリシア語の οὐ (ou, 無い), τόπος (topos, 場所) を組み合わせ「どこにも無い場所」を意図とした地名と説明されることが多いが、記述の中では Eutopia としている部分もあることから、eu- (良い)と言う接頭語もかけて「素晴らしく良い場所であるがどこにもない場所」を意味するものであったとみられている。

 ”prefix eu”で検索してみたら、確かに「ええモン」という意味はあるようなのだが、「部分も」って、何かしら腑に落ちない。単なる誤植じゃないのか?

 ふとeuropeで調べてみたら、フランス版wikiにこうあった。「”eur”に当たる部分は広がりを示し、”ope”は視界の届く限り」

Selon une étymologie purement grecque, « Europè » (εὐρώπη) provient de deux mots grecs : eurýs et ṓps. Le premier, εὐρύς, signifie soit large, qui s'étend en largeur, soit vaste, qui s'étend au loin3 ; le second, en grec ancien ὤψ, signifie soit regarder en face, regard, soit œil.
https://fr.wikipedia.org/wiki/Europe

 「ユーラシア」の綴りは、”eurasia(フランス語=eurasie)”。
 europe+asia(asie)。
 Europeって、ギリシャ神話の女神エウロペ(エウロパ)が駆け回っていた地域で、そこにアジア大陸をくっつけたのがユーラシアであったのか!

 そこでまた思い出したのが、学生時代に読んでいた雑誌のタイトル「ユリイカ」。
 アルキメデスが風呂に入り、溢れた水を見て”Eurêka”と叫んで裸で走り回ったという伝説に由来するものだが、語の成り立ちまで立ち入る気にはなれなかった。
 酔狂な方はここを参照されたし。

 人生残された時間はそう多くはないのに、相変わらずこんなバカな調べ物ばかりしてる自分を、つくづくアホやと思う(反省はせんけど) 

 

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2017年8月 4日 (金)

人工知能は遺伝子(プログラム)と子育て(データインプット)で育つ

 笑えた。
 中共のweb大手、騰訊(テンセント)が人工知能(AI)チャットプログラムを公開したところ、このボットが共産党批判を展開したという。

ユーザーが「共産党万歳」と書き込んだところ、AIは「かくも腐敗して無能な政治にあなたは『万歳』ができるのか」などと反論した。(等々)
(産経web http://www.sankei.com/world/news/170803/wor1708030008-n1.html) 

 マイクロソフトの「Tay」と名付けられたチャット・ボットも同じような騒ぎを起こした。公開後間もなく、ヘイトメッセージやナチス礼賛を紡ぎ出すようになり、一日も経たないうちに閉鎖に追い込まれている。

 双方手口は至ってシンプル。特定の文章を大量に「AI」に流し込めば良いだけで、それに気付いた一部ユーザーが随分熱心にこれらのボットを「教育」したと推察される。

 つまり、プログラムは正しく組まれていたわけで、ここから先、「教育」の結果をどう「成果」として表現させるか、プログラマーにとって多分そう難しくはない課題。反応すべき方向付けをしてやれば良いだけだ。

 と言うより、web上のメッセージを解析して、それに応じた偽ニュースを流す手法は既に確立されている。先日の米国大統領選挙期間中にも既にそれらは活躍していたようだ。

 facebookやTwitterで無防備に垂れ流され続けいる大量のメッセージは、そういった方向付けを目論むボットの格好の「食事」となっているのだろう。

 片時もスマホを手放さないSNS中毒者達は、自分が今所属している「群れ」は自分で選択したものだと信じている。だから、それらの「群れ」の中で交わされる文脈に沿ったメッセージであれば、受け入れる準備は潜在的にできている。
 そういった人々を扇動するのに、もはや大した労力は必要ない。

 情緒的な短文メッセージ交換や”like (いいね!)”ボタンの発明は、大衆扇動のための下地づくりであった、とまで断じるのは行き過ぎなのかも知れない。

 が、少なくとも結果として、これらの仕組みは、洞察と思考の面倒さに背を向け、脊髄反射的に反応する人々を効率よく且つ大量に育てている。

 経済的貧困層を膿み出している現代社会において、思考的貧困層もまた、密かに作られつつあるような気がする。

 

 

 

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