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2018年2月

2018年2月17日 (土)

ラフォルグの詩

 四十年来、片時も忘れず時々復唱し続けている詩の一編がある。

 作者はJules LAFORGUE。NHKのフランス語講座で若い頃に覚えたのだが、意味が今ひとつ分からず、それでも何故か気になってたまに思い出したりしてきた。

Je ne suis qu'un viveur lunaire
Qui fait des ronds dans les bassins,
Et cela, sans autre dessein
Que devenir un légendaire.

Retroussant d'un air de défi
Mes manches de mandarin pâle,
J'arrondis ma bouche et - j'exhale
Des conseils doux de Crucifix.

Ah ! oui, devenir légendaire,
Au seuil des siècles charlatans !
Mais où sont les Lunes d'antan ?
Et que Dieu n'est-il à refaire ?

 引っ掛かりつづけていたのは、最後から二行目の”Mais où sont les Lunes d'antan ?”。

 ヴィヨンの「去年の雪今何処(いずこ)」の本歌取りと見て、「去年の月今何処」の解釈こそがツボと信じてきたのが失敗だった。「本歌」の”Ballade des dames du temps jadis”まで眺めてきたのは時間の無駄だったなー。

 今夜も四行三連詩を眺めながら、ふと散文的に訳してみりゃいいんじゃないの とひらめいた。

オレは月の光を浴びてこそ生き生きと
噴水の中で踊り回れる
踊ってる理由は他でもない
伝説に名を残したいから

尊大ぶって両腕の袖をまくり上げるのは
支那人官吏の色褪せた服
オレは唇をすぼめ、密やかにまき散らす
十字架の優しい慰めの言葉

そうとも、伝説になるんだ
この欺瞞の歴史の変わり目に
でも、昨日までの月は何処に行っちまった
リメークされた「神」がオレには必要なのに

 これですっきりした。四十年来のモヤモヤに片が付いてめでたしめでたし・・・の筈だった。
 ところが、ぼくが覚えていたのは一つの独立した作品ではなく、実は長大な”Locutions des Pierrots”の第16節でしかないと、今になって初めて知った。

 迂闊だった。これ、全部読んだら解釈が変わるんだろうか。もはや追求する情熱は胡散霧消してしまったしなあ。でも折角だから通読してみるかなぁ。思案投げ首。

 

 

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