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2018年6月 9日 (土)

トクサイ

 「忖度」と並び、今では日本国民の人口に膾炙するようになってしまったトクサイ。
 ぼくが初めてこのコトバに接したのは三十年ほど前、購買勤務時代だった。

 入荷の受け入れ納品検査、さすがに全品チェックなんてやってられないから、一定基準に基づいたランダムチェック。そこで基準外品が見付かると、その納品ロットはまるごと返品か選別か、或いはトクサイ即ち特別採用か、となる。

 その基準は品質管理部門が決めるので詳しく知っているわけではない。ぼくが直接関わった範囲だけで言えば、トクサイは機能に直接関わらない基準外、たとえば外観に汚れがあるとかいったものに、へーしゃでは限られていた。

 「選別」というのは、不良が発見された納品ロットを全品検査に切り替え、適合品だけ選び出すもの。選別作業は基本的にメーカーの人間が品質管理部門と共にやるのだが、購買担当にも責任あるじゃねーかと、ちょいちょいぼくも選別に呼び出された。

 工場の片隅でシコシコ選別作業やってると、傍らにいたメーカーの営業担当が、「お宅の工場内で同じような加工をしてるけど、この程度ならオッケーになるのに、なんで私らだけ」とぼやいてたのを懐かしく思い出す。

 とまれ、トクサイとは受け入れ側が支障のありなしを判断する行為であって、納品側に権限はない。百歩譲って、仮に納品受け入れ側から納品者にトクサイ判断が許されていたにせよ(そんなんありえんけど)、納品スペックシートには正しく自社検査値結果を明記しなければならない。

 実際とは異なる数値の納品書を出すのは、誰が何と言っても「ウソツキ」なんである。

 だから、こういった事件の報道では、「ウソの書類が提出された」みたいな書き方の方がぼくらには分かりやすいのに、それをカイザンとかインペーとか、一般人にとって分かりにくいコトバを何故にマスコミは使うんだろう。

 モリトモ問題では逆に、「書き換え」が当初使われてましたねー。深掘りしながらよ~く考えてみよう。

 ついでだけど、政治関係の報道で「○×は遺憾の意を表明した」ってのをしばしば目にする。ぼくもそうだったんだけど、大半の国民はこれをゴメンナサイと謝っている表現だと捉えているだろう。

 「遺憾」って実は、「ワタシの意図とは違う方向に行っちゃったんですよねー、残念です」って意味合いなのね。裏返して言えば、「ワタシは悪くないんだけどぉ」。

 何だか話がとっ散らかってしまった。

 神戸製鋼だけじゃなく、日本「大手メーカー」のウソツキ体制が連続的に暴露されてきた今、made in Japanの輝きはどーなっていくんだろう。

 made in Japan「神話」の担い手は、「お天道様は見てござる」という昔ながらの倫理を頑なに貫いている中小・零細企業だったし、今でも厳然としてそうなのだ。

 一部有名企業の「ゼニだっせ~!」の振る舞いが、そういう人たちの真面目な努力を踏みにじるようなことにならないよう、心から祈りたい。

 

 

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