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2018年11月 7日 (水)

宇宙は「もつれ」でできている 「量子論最大の難問」はどう解き明かされたか (ブルーバックス)

 (ブクログに投稿したレビュー)

 量子力学が現在に至る「物語」。内容はさっぱり分からなかった。なのに、590頁!最後まで興奮しながら読めた。

 数多くの物理学者が登場し、議論を重ねる。議論の内容も誰が何を話していたのかもぼくには理解できないが、互いに批判し励まし合い、時には挫折しながら、登場人物達が何かしら凄いことに向かって来たんだなと感じとることだけはできた。
 
 相関する電子は、一方の状態が決まるともう片方の状態も「瞬時」に決まるという。どんなに離れていても。

 原因があって結果があるという因果律と、光より早いものはないという相対性理論を前提とするならあり得ない現象であり、それ故アインシュタインは量子力学に疑念を持ち続けた。

 しかし、そういう現象が実験で観測されたとなると、この遠く(例えば銀河の端から端まで)離れていても「瞬時に」相関する動きを見せる双方の電子は、個別の存在(局所的)ではなく、全体の中の部分(非局所的)と考えざるを得ない。

 それはぼくらの直感から乖離している。

 仏教に「一念三千」とか「相即相入」といったことばがある。ぼくがこの本を読み続けられたのは、量子力学には仏教に繋がる何かがありそうだと感じたからだろう。
 
 そういう量子の振る舞いを「もつれ」と呼ぶらしいが、この日本語に最後まで悩まされた。
 本書原題は"The Age fo Entanglement"
 コリンズ辞書に拠れば、”A tangle of something is a mass of it twisted together in an untidy way. ”

 読了してから調べてみたんだが、最初にこの定義を知っていたらもちょっと本書の内容が理解ができたかも・・・いやいや「プラズマ」というコトバは知っていても、それがなにものであるかすらとんと知らないようなぼくには、やっぱり無理だろうな。

 以下、エピローグからの抜粋

 「一般に受け入れられている量子論の構造はほとんどすべて・・・物理学について何も語っていない」とフックスは1998年に述べている。「量子論とは我々が知っていることを記述する形式的なツールなのだ」。量子力学の奇妙さは、情報理論ときわめてよく似ている。情報理論は、情報伝達を説明するために計算理論と共に発達した強力な考え方であるが、量子論とよばれるものは実際は大部分が情報理論、つまり、量子の実体そのものよりむしろ実体に関する知識についての理論であるという点で、ルドルフとフックスの意見は一致しているのである。(p.588)

 「量子力学には、相対性理論のように根本となる原理がない。相対性理論では、あらゆる慣性系における観測者の物理法則はすべて同一で、ほら、そこからたくさんのものが得られる。ここに、情報理論的な制約をかけてみる。つまり、『観測者は決して粒子の位置と運動量を正確に知ることはできない』とするんだ。すると、ほら、その結果生まれた理論がどれほど制約を受けているか、どれほど量子力学と似通っているかがわかるはずだ」
 フックスも同じ意見だ。(p.589)


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