経済・政治・国際

2017年11月10日 (金)

中共のアフリカ攻略政策

 アフリカの取り込みに中共はそこまで遠くを見据えて政策を講じているのかと驚いた、FR2の報道だった。

 サブサハラ地域が既に経済的に中共と深いつながりを持っているのは周知の事実で、中共側の目的はもちろん資源確保。

 その政策の一環として中共が力を入れているのが、アフリカ各国の学生の取り込み。今年は五万人のアフリカの若者が政府の奨学金を受けているという。受給者はここ十年で二十倍以上になった。

 「中共は彼らを惹き付けるためになんでもやる」というこのニュースの下りが”L'Empire du Milieu fait tout pour les attirer.”と、常のChinoiではなく、”L'Empire du Milieu”と表現されたのは興味深い。まんま英単語に置き換えれば、Empire of Center(中華帝国)とでもなろうか。

 留学生には月額430ユーロ(彼の国の物価レベルで!)が支給されるばかりでなく、食堂、家賃は無料。
 最初に学ぶのはもちろん中国語で、二年もすれば流暢に喋れるようになる。

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 優遇された環境の中で勉強できた若者達が中共にシンパシーを持たないわけがない。
 中共で商業や経営学を学んだアフリカ各国の若者たちは、故国に帰ればエリートの一角を占めることになる。彼らは故国と中共の絆を深めることしか考えなくなるだろう。

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 帰国したらぼくは中共企業で働くことしか考えていないと、この若者はインタビューに答えた。

 中共はほんの少し前までは貧しい国だったのに、経済は今やロケットのように跳ね上がり、高度先端技術に大量の資金を投下するまでになった。

 これまで取り残されてきたアフリカ諸国の若者達が、中共の変化を目の当たりに見て、わが国でもいつか、と夢を持たないわけがない。

 豊富な地下資源を確保するためには、札束だけ持って乗り込んでも国際金融資本に太刀打ちできるはずもない。そんなあからさまな成金主義でなく、今後経済活動の中で将来主要な地位を占めて行くであろう人材を、中共贔屓として育てていく政治戦略に舌を巻く。

 ところで、なんだけど、一時期流行った「おもてなし」という言葉には、「わざわざ来てくれた人はそれなりに迎えて上げましょう」という意味合いしかなく、積極的に呼び込む力はない。

 東京オリンピック誘致の時に日本国内で盛り上がったこの「おもてなし」というセリフを苦々しく感じたのを、筋違いではあるけれど、ふと思い出した。

 

 

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2017年10月31日 (火)

フランスの失業事情

 10月30日のFR2で、雇用の現状に触れていた。

 雇用環境という意味合いだけで言えば、活況を呈している。ただし、派遣労働に限っての話ではあるが、職種は選び放題で、勤務先を変更してくれと派遣会社から要請されるケースもあるとか。

 派遣労働者の需要は,」この一年間で二割増加し67万人。フランスの人口が6200万人なので、人口比で見れば日本の130万人と丁度見合い。

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 運送業、商業や接客業での需要が増えている。工業技術者も不足している。
 賃金は月額ネットで1500~1600ユーロ。

 ぼくら日本人に分かりにくいのは、cadre(管理職)の派遣労働需要が一年間で16%近く増加しているということ。日本の企業だと「管理職」ってのは社内でそれなりの評価を受けてきた人たちが落ち着く場所と定まっているが、フランスでは管理職も一時雇いで賄うケースがある。

 失業手当は、マクロンの財政再建政策の一環として五十歳以上の支給期間が引き下げられ、従来のように36ヶ月支給されるのは55歳を待たねばならなくなった。

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 五十歳以上となると、なかなか職がないんよとぼやく高年者の声があり、事情はどこの国でも同じようだ。

 日本で今自ら派遣労働を選択している若者達もやがて歳をとる。二十年後、三十年後の労働環境はどうなっているだろうか。人口減少により人手不足となって、高齢者でも職探しに苦労することが無くなっているだろうか。それとも国内需要減少で働き口は減っていくのだろうか。

 

 

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2017年9月15日 (金)

北朝鮮のミサイル

 北朝鮮がミサイルを発射したり核実験したりすると、日本のマスコミはなぜ今日にでも日本が攻撃されるような騒ぎ方をするんだろう。

 核兵器なんて、米国を筆頭にイスラエルだって、パキスタンに至るまで持っている。なぜ北朝鮮が核兵器を持ってはいけないのだろう。彼らが大量破壊兵器を持つことを推奨つもりは毛頭無いけど。

 もし北朝鮮が日本やその他の国を(核兵器を含め)先制攻撃したいのだとすれば、その結果何を得ることが目的となるのだろう。仮に日本列島を焦土化したいのだとすれば、それで彼らが手に入れられるものは何なんだろう。米軍に被害が及ぼうものなら、即フルボッコになるのは必定なんだし。

 日本のマスコミが過剰に騒ぐ理由があるとすれば、「あそこの指導者は何をするか分からん!」という思考停止のヒステリーに耳目を集めてしばしの日ゼニを稼ぐ算段しか見当たらない。

 それとも、「だぁからー、わが国も防衛施設をもっともっと拡充せんと」というプロパガンダの一環?

 後者の場合、「だぁからー、高性能の兵器を米国からもっともっと買い入れなぁアカンでしょうが」という流れになってしまいそう。

 「由々しきことである」と眉をひそめてコメントする「知識人」たちは、米国の軍事産業輸出の片棒を担ぐセールスマンではなかろうか・・・とは言い過ぎかな?

 北朝鮮の「脅威」に「経済制裁」を強化するとの流れに日本国政府も同調している。

 本来、支那事変でしかなかった事態が太平洋戦争へと発展した根本要因は何であったか。

 ABCD包囲網で原油の供給を絶たれてしまい、最早このままでは・・・と、無謀を承知で窮鼠猫を噛む挙に出たためではなかったか。日本占領軍総司令官マッカーサーですら、上院議会で日本が太平洋戦争に打って出たのは理由のあることだったと認めている。

 中共や韓国が日本を非難する常套文句「歴史に学ばない」。彼らが言う方向とは別に、そういう素質がわが国の為政者にあるような気がしてならない。

 北朝鮮なんかより、日本という国土も国民も全てなくなってしまえば、太平洋方面に自由に覇権を広げられるという目論見を持っている国がすぐ傍にあることに注意する方がずっと重要だと思うんだけど。

 

 

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2017年7月24日 (月)

フランス大統領マクロン氏、支持率大幅下落

 マクロンの支持率が一ヶ月で10ポイント下落し54%となった。首相のÉdouard Philippeも64%から56%へと8ポイント落とした。(Ifop調べ。7月17~22日、18歳以上無作為抽出1947人電話アンケートによる)

 この下落幅はJacques Chiracの15ポイント下落以来とのこと。

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 マクロンは国家財政立て直しのために緊縮予算をぶち上げた。
 社会保険料値上げは退職者の不安を誘い、公務員の大幅削減が当の公務員に快く受け入れられるはずもない。軍事費大幅縮小に反発したフランス国軍トップのピエール・ド・ヴィリエ(Pierre de Villiers)統合参謀総長(chef d'État-Major des armées)が辞職を表明したのは19日だった。

 彼がオランド政権下で経済大臣を辞職したのは、この政権下では自分の考える経済政策を実現できないという理由だった。国家財政均衡を第一義に考えるなら、社会党政権では難しかっただろう。

 10ポイントという下落率だけに焦点が当てられがちだが、それでも尚54%の支持率がある。

 同じタイミングでの歴代大統領の支持率は以下の通り。

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 左から、ミッテラン、シラク、サルコジ、オランド。

 マクロン支持率54%の内訳は、大変満足が47%、どちらかと言えば満足が7%。不支持率は43%で、極めて不満足15%、どちらかと言えば不満足28%。今のところそれほど悪い内容ではなさそうだ。
 尚、「支持率」とフランス語のpopularitéが完全一致するのかどうか、あまり自信がないのだが、日本の世論調査で「支持する」と言ってもせいぜい「いいと思うよ」程度なんだろうから、間違いじゃないだろう。

 このマクロン氏、軍予算削減を巡って統合参謀総長との応酬の翌日に自ら軍に出向き、軍人の前で「私がchefだ」と言い放ったらしい。

 これは共和国の理念を逸脱した、独裁者の姿勢だと批判されることになろう。

 日本の国会で稲田防衛相への質問を、彼女を抑え自らしゃしゃり出た安倍首相が「私は自衛隊の最高指揮官ですから」と声を大きくしたのとは格も次元も違う。

 マクロン氏の一連の自信満々たる振る舞いは、若さ故の精一杯の背伸びなのか、鼻持ちならないエリート主義の露呈なのか。

 

 

 

 

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2017年6月 1日 (木)

保育園落ちた日本死ね

 半年前に書いてそのままお蔵入りにしてた記事を掘り出してみた。

・・・・・・

 「保育園落ちた日本死ね」って、2016年の流行語大賞に選ばれたんだって?

 それ知らんかったし、「投稿」の内容全部をワシ知らん。
 で、先ずは「匿名投稿」の原文を知っとかなきゃねーと探してみたら、あまりに下品な文章なのでげんなりした。

 ところが、表現は極めて下品ではあるけど、ただのアホが書いたものでもなさそう。文章構成がしっかりしているのである。

 その上、

    何なんだよ日本。
    一億総活躍社会じゃねーのかよ。

 保育園って地方行政の管轄。いきなり国政に話しもっていくかー?

    どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。

 「母子家庭なんよ、収入源立たれて生活できなくなっちまう」ってのなら共感してもいいけど、「活躍出来ねーじゃねーか」っていうコトバに違和感持つのはわし一人だけなのかなぁ。

 他にも並べ立てられている国政への罵りは、よほど政治に関心がなければここまで紡ぎ出せないのではないか。

 この「匿名投稿」に対する、披露した国会議員の自作自演なのでは、との疑惑も一笑に付せないような気もする。

 そこでふと思い出したのが、吉祥寺の保育園新設「反対」運動」。

 読売新聞は住民エゴと簡単に決めつけ、市会議員も「えろう恥ずかしいこって」とコメントしたようだが、実際は、

どの報道にも触れられていないが、実は反対運動の先頭に立っている70代の女性は9月27日に陳情書を市議会に提出している。
 陳情書の表題は「『平井医院跡地』市有地及び南町3丁目市有地などを活用し、『緊急待機児童解消に向けて、公募選定での地域から信頼の置ける事業者による認可保育所設置』を求めることに関する陳情」。
 陳情は今月21日に同市の文教委員会で継続審議となったが、陳情書にある2つの代替地のうち「平井医院跡地」(吉祥寺東町1丁目)は、反対運動の先頭に立っていた女性宅の目と鼻の先にあるのだ。
産経 http://www.sankei.com/premium/news/161123/prm1611230017-n1.html

  「事実」が一体何処にあるのか、わしら庶民には見えにくくなっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2017年5月16日 (火)

フランス大統領選 2

 前回のフランス大統領選では、最右翼候補だった社会党のドミニク・ストロス=カーンが選挙直前のセックス・スキャンダルをでっち上げられて失脚した。
 そこで社会党内で急遽浮上したのが前大統領のオランドだった。

 当時サルコジが再選に意欲満々だったが、サルコジはもぉアカン!という消去法空気の中でオランドがフランス国大頭領とあいなった。

 今回の大統領選、マリーヌ・ル・ペンが最終候補にまで残ったんだが、彼女の親父さん、ジャン・マリ・ルペンも決選投票まで残った経歴の持ち主である。

 その時はフランスの「有識者」がこぞって、「移民排斥、ユダヤ人虐殺なんて大したこっちゃないてなことを標榜するル・ペンなんかが大統領になったらフランスの羞じや。シラクがエエとは言わんが、まだましや!」 と、消去法でシラクに風が吹いたという経緯があった。

 今回の大統領選でマリーヌ・ル・ペンが選出されることはなかろうとぼくは思ってはいたけど、「露ほどにも」とまでは言わない。

 方やロスチャイルド銀行出身という超エリートの身でありながら、何故か社会党に籍を置いていたマクロン、方や「あんた、ホンマにそれ、やれまっか?どないして?」の公約を掲げるマリーヌ。

 白票ムーブメントが湧きあがったのも宜(むべ)なるかなであるが、今回も「消去法」で若きマクロンがフランス国大頭領となった。

 若輩者がリーダーになるのは、西欧社会では珍しいことではないが、民間会社で大学校出たての者がいきなり管理職に就くのはアリとしても、いきなり社長ってのは、どやろ。マクロンの場合、39歳だから「小僧」というわけでもないが。

 マリーヌは多分落選してほっとしてることだろう。まかり間違って大統領なんかになっても、議会運営できる基盤を持っているわけではない。日本のマスコミは「大統領選では大差を付けてマクロン」と報じたが、得票率で言えば、マリーヌは三分の一の支持を得たことになる。今後彼女の重みは増すだろうし、それこそが狙いだったと言えるのではないか。

 一方マクロンとて、六月の衆院選でどれだけ手勢を確保できるか予断を許さない。

 民主党が政権を執った頃を思い出す向きもあろうが、日本と決定的に違うのは、フランスの政治家はあらゆる場所で時期に応じて明確な所信表明をなさねばならないということ。そして、国民はその発言を注視していること。

 フランスという国は、単なる「民族集結による雰囲気的な統合」ではなく、今でも実験的な人工共同体を目指している。

 

 

 

 

 

 

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2017年5月 4日 (木)

フランス大統領選

 この選挙、マリーヌ・ル・ペン(Marine Le Pen)が親父さんと同様最後まで残るであろうとは予測していたが、もう片方でマクロン(Emmanuel Macron)というお兄ちゃんが残ったのには、ちょいとびっくり。

 筆頭と目されていたフィヨンが第一回投票直前のスキャンダル発覚で自爆してしまったのが波乱の大きな要因なんだけど、このタイミングでの「スキャンダル」、DSK(ドミニク・ストロス=カーン/Dominique Strauss-Kahn)が前回の大統領選直前で嵌められた事件を彷彿するのは、ぼくだけだろうか。

 ともあれ、39歳のという若き候補者が大統領の座を射程距離に納めた。

 ぼくはこの人のことを全く知らないが、パリ第10大学の後、École Normale Supérieure受験には失敗しているが、ENA等々の大学校で学業を納めた超エリートで、ロスチャイルド系の銀行でのし上がり、オランド政権で経済相を務めながら、「この政権では自分の政策は果たせない」と中途で大臣を辞任した御仁。

 若きリーダーは、狩猟民族の中にあっては忌避すべきものではない。日本の学府に於いても「老害」が長いこと囁かれてることやし、ね。

 そんな経緯もあって、第一回大統領選では、候補いずれも団子状態で、結果、マクロンとル・ペンの一騎打ちで決選投票となったんだけど、その直後、「二人とも、どっちも嫌や!」というデモがパリを席巻したってのが(不謹慎だけど)おもしろい。

 フランスのTV放送局FR2は例によって、当事者のdébat(討論)を企画した。
 これは以前にも書いたことがあるが、将棋や囲碁の対決のように、各々の発言持ち時間を予め設定し、その範囲内で主張を延べよと言うものである。この方式、日本でも見倣って欲しいものだ。

 そんなことで、"2017, le débat" : Marine Le Pen - Emmanuel Macronてのをyoutubeで見たわけであるが、

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 世界三大ガッカリ、てのをご存じだろうか。
 シンガポールの「マーライオン」、コペンハーゲンの「人魚姫」、ブリュッセルの「小便小僧」(人によってそれぞれあるでしょうけど)

 マクロンってお兄ちゃん、マリーヌちゃんの発言を遮って喋ろうとする、典型的な「エリート」のスタンス。「お前の言うことは間違ってる」と頭ごなしに言わんばかりで、相手の意見をじっくりと受け止め、ユーモアを交えてうっちゃりをかます余裕がない。懐の広さがないと大統領なんて要職には向いてないとぼくは思うのだが。

 マリーヌちゃんの発言は従来通り確たる根拠のない、(無知なる民へ向けての)エモーションに訴えるお話ばかりで、それは予測できたことではあるが、もともと人種差別だ何だと叩かれ叩かれて今日まで来た人である。よほど余裕綽々。若造がきちんと真正面からそれを受け止める力がないのが露呈され、期待外れで、がっかり。
 どっちが大統領になっても嫌や!という民衆の気持ちがひしと分かる討論会だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2016年4月30日 (土)

フランス 労働法改定の試み

 1978年生まれの社会党労働大臣コムリ(Myriam El Khomri)による労働法改定案が物議を醸している。

 労働者だけでなく若者まで包含した大規模抗議デモが頻繁に組織されているが、「進撃の巨人」を使ってる動画が実にイイ。

 粗筋が分かるように大雑把に和訳を入れてみたので、一通り概要が分かったら、上記のリンクでオリジナルを見て頂きたい。

 まずは導入部。

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 最後の「近日・・・」が実に笑える。

 flexibilitéとは、これまで企業を縛ってきた様々な条件をある程度緩和し、企業側の裁量幅を広げようというもの。

 フランスでは労働者保護があまりに手厚いので、企業が正規採用に臆病になり、いきおい派遣や期間採用者ばかりになるという現実への対応はたしかに必要であろう。

 解雇手切れ金の上限が給料15ヶ月分というのも、もともと退職金という概念がない社会ではそう無茶な提案ではない。確かに解雇が乱発されることにもなるだろうが、優良社員であればその心配は少ない。

 週35時間労働の見直しも当然に思えるのだけれど、実入りが増えるよりは自由時間の方が大切だと考えるフランス人の方が多いのだろう。ある意味健全だとも言えるが。

 昔の社会党がばらまいてきた暖衣飽食制度を、同じ社会党がぶっ壊そうとしているところに意義はあるだろうが、三十代半ばの若き女性大臣がどれほど世間を知った上でこの法案を世に出そうとしているのか、やや危ぶまれる。剛腕首相ヴァルスの後ろ盾によるものなのかもしれない。

 

 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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2015年5月26日 (火)

フランスも所得税給料天引きへ

 前年の所得税を翌年五月から三回に分けて支払うのがフランス方式だが、社会党現政権は、サラリーマンの給料から月々所得税を徴収することを決定した。(FR2より)

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 悪いことではないとぼくは思う。というより、一年分の税金を三回に分けて納めるという作業は、結構デカいカネが一度に手元から消えるということである。支払いが猶予されていただけだと頭では理解できても、心情的には心穏やかならざる感をいつも持っていた。

 納税通知書が来たら自分の前年の所得を改めて見返し、これからの所得アップに向けてのモチベーションを高めるという人々も少なくはないようだから、従来方式を鬱陶しいと感じるのは、自分の手元財産をきちんと管理しないぼくのような不精者だけなのかもしれない。

 前年の所得税を翌年払う方式から毎月天引きされる方式への移行にあたっては、重大な問題が発生する。

 政府は天引きを2016年から開始すると決定したが、すると2016年には、当年の所得税を払いつつ、併せて2015年の所得税を払うという、まことにイタイことになってしまうのである。

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 それではだれもが到底承伏しかねるだろうから、段階的に移行していくという。

 即ち、2016年の天引きは15%相当のみ、翌2017年は40%、2018年でこの移行措置は終わりというロードマップである。

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 税の天引き方式への転換によって徴税/納税作業が簡単になるのかというとそういうことでもないらいしい。

 だったら、何故わざわざシステム変更しようとするのだろう。

 転職は日常茶飯事のフランス。去年は職があったけど今年は失業の身という人々は大勢いる。そう言った人々の中で、給与所得がある間に翌年納める税金分だけは別途積み立てておかなくっちゃと考える人々が一体どれくらいの割合で存在するだろう。

 納税通知書が来ても、カネがないんだから払いようがないと肩をすぼめるのが関の山。自分が喰う分を切り詰めてまで納税するような奇特な人が大多数を占めるはずもない。

 FR2はこのニュースの中で触れはいなかったが、給与所得者の徴税漏れをいくらかでも防ぐためではなかろうかとぼくは見ている。

 

 

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2014年10月29日 (水)

ドミニク・ストロス=カーン DSK(Dominique Strauss Kahn) その後

 2012年のフランス共和国大統領選挙で最右翼とされた、当時IMF専務理事だったドミニク・ストロス=カーン、通称DSKは、NYのSOFITELでの強姦容疑で逮捕され(後に訴人の証言が怪しいとして不起訴)、その余波でIMF専務理事も辞任してしまった。

 その後リールでの売春婦を招いたパーティー疑惑なんかがあったせいなのだろう、以後政治界からは足を洗ったようだ。

 当時の大統領選に出馬していれば、ほぼ間違いなくフランス共和国の大統領になったであろうと世評の高かった大物がその後今どうしているのかと気になっていたのだが、投資顧問会社「Parnasse」を立ち上げたらしい。

 Parnasseはパルナスと読む。
 モン・パルナスは、「モン=mont」が山の謂だから、パルナスの山。

 パルナスは”lieu de séjour des Muses”、女神達の集う場所。
 日本の文学界ではParnasseを「高踏派」と訳した。これは結構すごい訳だと思う。物理的な山の高みに文芸上の高みをくっつけたんだから。

 閑話休題。

 その「大物」が居てはるParnasse社に経済アドバイスを求めたならば、その料金は?
 Le Figaroの”Publié le 19/07/2014 à 16:53”によれば、

le tarif oscille entre 50.000 euros et 150.000 euros la demi-heure

 三十分で5万ユーロ、つまり500万円程度。一ヶ月契約ではないよ、三十分ですがな!

 一時間のコンサルタント料が一千万円なんて「ありえん!」と思うのがぼくら庶民だけど、クライアントはいてはるようです。上記Figaro紙によれば、2013年にはこの会社、既に2.5Mユーロ(3億円程度)の売り上げだとか。

 知人の話によると、このオッサンの女癖の悪さはつとに有名なのだが、語りがすっごく上手いらしい。その当時きっての美人辣腕ジャーナリストAnne Sinclairが惚れ込んだのもその手腕(口腕?)によるものなのかもしれないが、さすがに彼女もこの一連の騒ぎでDSKに見切りを付けたようだ。

 にしても、以前に書いたかもしれないが、この「強姦未遂疑惑」騒ぎ、とてもとてもでき過ぎているような気がしてならない。

 この事件は「被害者」の証言に信用がおけないということで、結局不起訴となった。

 でも、世間は騒ぎの方だけ覚えている。

 事実はどうでも良い。騒いだ記憶を刷り込む。仕掛け人にとっては、ここが一番肝要なのだ。刷り込まれた記憶は後からやってきた事実を無意識に無視しようとする。

 朝日新聞の捏造記事群も「9.11」も、そういう脳神経の働きを最大限に発揮した、いわば最高傑作の一つなんだろうな。

 

 

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