交通事情

2013年5月 6日 (月)

何故ロシア人は車載カメラを搭載するのか

 France Infoでむっちゃ笑えるビデオを見付けた。

 題して、「Pourquoi les Russes posent des caméras dans leurs voitures」。

 youtubeでもロシアの交通事情の凄まじさは掃いて捨てるほど流れているから、飽き飽きしている御仁もいなさるだろう。

 そうでない方はこのビデオを見れば、ロシアの道路って要するに何でもアリ、ある意味中国より凄いかもしれないなぁと思えるだろう。

 ロシアには「当たり屋」も、いっぱいいるようで、この映像を見ると、ロシアで車を運転するというのが恐ろしくなる。てか、車載カメラは「絶対」必需品だと信念を固めること必定。

 車載カメラを搭載した人々の半数の動機が、腐敗警官から身を守るためというのも、これは笑って良いのか悪いのか。

 と、これだけ前知識を持っておけば、フランス語が分からなくてもこのビデオは楽しめる。

http://www.francetvinfo.fr/video-pourquoi-les-russes-posent-des-cameras-dans-leurs-voitures_317923.html

 上記アドレスをコピーしてアドレスバーに貼り付け、enterキーを叩くか「→」キーをクリックするだけ。

 お楽しみ下され。 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2012年12月25日 (火)

フランス 交通取締りの強化

 以前にも似たような記事を書いたが、フランスではどんどん交通取締りが強化されているようだ。

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 こんな風にスピード・ガンで狙いを定め、その後は

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 こないになりますわな。

 固定式の速度探知機も進化している。

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 左が従来型で右が新型。
 この小さい奴は見たことが何度かある。随分コンパクトになり、運転しながらの遠目では発見しにくい。

 高速道路を跨ぐ架橋からもチェックしてる姿は以前にご紹介した。

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 こいつは見たことがない。

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 信号無視を捉える撮影機だそうな。

 ぼくが住んでいたアパートの近くのセーヌ川沿いにあった信号無視補足機は、もっと無骨だった。

 随分おしゃれになったものだ。

 速度違反だけではなく、飲酒運転にも厳しさを増している。殊に若年層にターゲットを絞り、25歳未満は運転中の血中アルコール度がゼロでないとしょっ引かれることになったそうな。

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 これは若年層、特に25歳未満が引き起こす死亡事故が多いためである。

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 交通死亡事故の1/4が、18歳から24歳の飲酒運転者によって引き起こされており、その四割が飲酒運転によるという。

 こういう統計が出ると、必ずこのような方が出てくるのは、洋の東西を問わないらしい。

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 「お酒のCMも取り締まるべきです。アルコール飲料にはもっと税金を掛けなければ」

 煙草にもっと税金をと叫ぶ手合いと同じ。

 とは言え、ホンのごく一部ではあるが、無茶飲みする若者もいるというのも事実ではある。

 大晦日の真夜中、エッフェル塔付近でシャンパンをラッパ飲みしてる若いねえちゃん達がいたことは二、三年前にレポした。

 ぼくが住んでたパリのアパートはロの字型の造りになっていた。真向かいの棟のぼくと同じ階とその下の住居では年に何回か大宴会が催され、開け放された窓から夜中の二時過ぎまで大音量の音楽が流れ、大勢がたむろし集い、騒ぎ楽しんでいるのが見えた。

 メトロは遅くまで運行しているけれど、さすがに午前二時過ぎは走っていない。あの宴会に参加していた連中が全員その部屋で寝たとは思えず、さりとていつもいつも徒歩で帰宅できる距離にいる仲間だけが集まった宴会とも思いがたい。

 大方は車で帰ったんだろう。ひょっとすると、あの中の一人か二人は事故を起こしてるかもしれないな。

 もっとも、三十年前の話ではあるが、ぼくも三度ほど泥酔運転の経験があるから、他人をあげつらうのは天に唾するようなもの、かな。

 

 

 

 

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2012年10月 2日 (火)

なかなか慣れない

 またやってもた。

 週末の夜人気のない小さな道を車で走っていて、T字路で一旦停止した。
 ふと、ぼくの左側の車線上に「一旦停止」と書いてあるのが見えた。

 おかしいな、この道いつから二車線一方通行になったんだろうと首を捻った瞬間、それまで自分が対向車線を走っていたことに気付き飛び上がりそうになった。

 実は、この八月に山道を走ってる時にもやってる。

 それまでは機嫌良くちゃんと左側を走っていたのだが、曲がりくねった未舗装の狭い道で迷い、これはアカンとUターン。

 と、、突如真っ正面からこちらへ向かってくる車がある。お互い急ブレーキ。

 「ボケー!どこ走っとんじゃぁ!通行区分守らんかい!!」と罵ったら、相手の車の運転手も目を剥いて怒ってる。

 「あれ??」→「げっ、ひょっとしてわし、右側を走ってる?」と思考が切り替わるのに一秒ほどを要した。もちろんそのまますたこら逃げ去ったぼくであった。

 フランスでの運転の癖がなかなか抜けない。日本ではサンデードライバーなので、日本式に体の感覚が戻るのにはまだ時間が掛かるんだろうか。

 車に乗り込んでシートベルトをしようとする時、これは今でもほぼ毎回、無意識のうちに左手で安全ベルトを探ってしまう。ウィンカーとワイパーは「どっちだった?と迷う。バックギアに入れようとして右手をドアにぶつけることはなくなったが、左手でシフトレバーを操作するのにまだ抵抗感がある。

 四半世紀前まだ若い頃は、帰国後すぐに適応できたのに。

 トシはとりたくないものである。

 

 

 

 

 

 

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2012年9月 8日 (土)

畑の真ん中でTGVから降ろされた話

 四年前の八月下旬、TGVでパリからボルドーへ行く途中、突如として駅もなーもない畑の真ん中で降ろされてしまった。

 ずっと以前にその話は書いたことがあるが、簡単に再述すると、

 TGV幹線網の中でも最速を誇るこの路線のはずなのに、パリを出てからずっとのろのろ運転。

 そして車内アナウンス。

 「故障した。降りてくれ。」と、それだけ。

 誰も騒ぐでもなく喚くでもなく、「あれ、まあ、なんてこと」とか、見知らぬ客同士喋りながらも、皆淡々と線路の路肩に降りた。

 その様を撮影した写真機がずっと行方不明になっていたのだが、帰国の荷物整理をしていたら出てきた。

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 これを撮影したのはフジのFinepix40iという機種で、メモリーカードは「スマートメディア」ってヤツ。

 スマートメディアなんて、もう覚えてる人は殆どいないんじゃないか。

 そこに記録されている画像をPCにつないで取り出そうとしたんだけど、写真機本体側のUSBの形状が古すぎて手近にあるケーブルを受け付けない。

 それではカードを取り出して…と思ったが、もう十年も前に消滅してしまったメディアであるからして、「マルチメディアリーダー」と銘打ったアダプターも「そんな古くさいヤツ、知らん」と拒否する。

 何とかならんかなーと意地汚くあちこち漁っていたら、古い古いケーブルが出てきて、試しにつないでみると、めでたく読み取れたという次第である。

 いらんものを後生大事にしまっておくのも、悪いことばかりではない。

 とは言え、オーディオカセット、ビデオカセット、MDと、我が家に山のようにある記録媒体。どうしたもんか。

 もう今では無用の長物と化している。

 手書きのラベル、汚い字とはいえ何となく愛着があってずっと埃を被らせたままにしていたが、そろそろ決別せねばなるまい。

 わしら年寄りも、若い連中からそう見られてるんだろうな、と、同類相哀れむの心境ではある。

 ちなみに、そのスマートメディア、容量は32MB。
 ギガではない、メガ。

 今のコンパクトデジカメでは十枚も撮影できまい。

 オレの若い頃はこれで充分だったんだ、って威張ってみたい気になりつつも、金色で麗々しく印刷された「32MB」の文字を見ていると、「明治は遠くなりにけり、か」と、遠い目になってしまうのは、トシのせいであろう。

 

 

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2012年7月13日 (金)

パリのパーキングメーター

 パリでは、少し広い通りなら、大抵道路沿いにパーキングエリアがずらっと並んでいて、パーキングメーターでチケットを買えば二時間まで駐車できる。

 四半世紀前に比べれば、路上駐車スペースは圧倒的に増えた。違法駐車があまりに多く、どうせ駐車するのならカネを取ろうという現実的な解決策だったのだろう。一方通行の道がむちゃくちゃ増えたのは、多分そのせいだろうと思う。

 ところが、せっかく用意された駐車スペースだが、駐車車両の大半が駐車料金を払っていない。Le Figaroによれば、パリ市内でまじめに払われているのは一割だとか。

 昨年半ば過ぎ辺りからだったろうか、それまでに比べ路上駐車の取り締まりが随分厳しくなった。退勤途上のバスチーユ広場辺りでは、罰金支払命令書の束を持った警官をしょっちゅう見かけるようになった。チケットなしで駐車している車に、片っ端から罰金支払命令書を置いていく。

 国家の赤字補填の一環なんじゃろなと勝手に想像してた。駐車違反の罰金が五割以上値上げされて取り締まりが「ペイ」するようになったからなのかもしれない。レッカー車も頻繁に見かけるようになった。

 パリの路上パーキングエリアでの無賃駐車は、ぼくも何度かやってる。ケチったわけではない。払えないからだ。

 パリのパーキングメーターは現金を受け付けない。「moneo」というカードが必要で、それをもっていなかったからだ。他の街のパーキングメーターは大抵現金を受け付けるので、その場合は必ずパーキングチケットを購入していた。
 じゃあパリ市内ではと言うと、仕方ないので基本的には地下駐車場を探すことにしていた。

 パリを離れる数日前、短時間路上駐車する必要に迫られて、ダメ元でパーキングメーターを見たら、そこではクレジットカードが使えるようになっていた。

 ぼくにはそれが初の経験だったが、Le Figaroによれば、パリ市はクレジットカード対応の機械を試験的に設置してきて、結果が良好なので今後はこれを増やす方針だとか。

 この施策、遅きに失したと言うべきか、それともギリシャ債務危機で苦境に陥っている銀行を助けるために、手数料徴収の機会を増やすという国家方針で渋々腰を上げたのか、それは知らん。

 2010年のパリ市駐車料金徴収額は47百万ユーロだったという。その額が本来の一割でしかなかったという乱暴な前提で考えるなら、100%徴収できるようになれば、4億ユーロを超えることになる。

 そこまで楽観的に考えんでも、料金支払いがせめて倍になれば、最低でも50億円程度の増収になる。

 機器購入、システム変更など、初期投資は馬鹿にならない額に上るだろうが、一旦償却が済めば、あとは不労所得となる。

 ヒステリックに「取締強化」で済ませるのでなく、「どーしたら払ってもらえるんかねえ」と動機付けを工夫するのが、オトナの対応というものだろう。

 日本人も、「煙草は絶対イカン」という頭ごなしのファッショ的な発想でなく、「どーしたら共存できるんかねー」と、アウフヘーベン的思考を、すこーしでも取り入れたら、と思うのだけど。

 これ、我田引水?

 

 

 

 

 

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2012年3月 4日 (日)

フランスでワイン消費量が減っているワケ 車の速度取り締まり

 フランス人といえば、漏れなく「ワイン」というイメージがついて回る。

 確かに、フランスでは食事とワインは切っても切れなかった。ディジェスティフ(食後酒)も当たり前だった。

 なのに、フランス国内でワインの消費量は下降の一途を辿っている。

 コニャックを筆頭とする食後酒の動向は知らないが、フランスでのワイン摂取量の減退と交通事故死者の減少は概ね一致しているらしいのだ。

 交通事故死を減らすためにフランス当局がとった手段は、運転者のアルコール摂取量制限と車の速度規制強化だった。

 アルコール・チェックに引っ掛かったことはないので、その方面でぼくが書けることは何もないが、ガキンチョが夜通し酒を飲んで騒いで、挙げ句の果てに交通事故を起こす事態は、少なくなかったろうと想像はできる。

 酔っ払い運転をするとどうなるかというのは、これは自分で体験済み。四半世紀前のことだけどね。よくぞ事故を起こさなかったものだと今でもつくづく、というシーンを二つほど思い出せる。

 確かに酔いと車の速度には相関関係がある。
 だから、「速度規制を強化するぞ」というアナウンスと本気の取り締まりは、多分有効なんだろう。

 定置式の速度レーダーがある場所の手前には、こんな看板がある。

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 これを撤去するという方針が一旦打ち出され、世論の激しい非難にあってうやむやになってしまった話は、既に書いた。

 この警告看板の後に控えているのは、こういう定置式レーダー。

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 ぼく自身、既に何度かお世話になった。

 それでは、この警告看板が無いところは大丈夫かというと、どっこい、日本と同様、ネズミ取りというものは、存在する。

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 良くは知らないが、スピード・ガンみたいなものが組み込まれているのだろう。

 じっとこうやって走ってくる車を眺め続ける取締官もたいへんだろうが、機嫌良く走っている最中に、いきなり銃口みたいなものが自分に向けられている光景が眼前に展開されるのは、精神衛生上あまり宜しくない。

 こないだ。制限速度を守ってるぼくをもどかしく思ったのだろう、それまで後ろに付いていた車がブイィ!と走行車線側からぼくを追い抜いていったところに、この手の取締官が居た。彼はその車が走り去った後、手に持ったボードに何やら手書きで記入していた。

 平地なら、しっかり前を見ていれば大丈夫だろうと思うのは、これまた間違い。

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 高速道路を跨ぐ陸橋の上からだってチェックしてる。

 こんな手持ち式で正確に速度を測れるのかという疑問は持ってはいけないよ。定置式のレーダーの測定誤差範囲は、僅か5%なのだ!罰金支払い命令書にそう書いてあったから、間違いない。だから、手持ち式であろうと、同様の精度を保っているの違いないのだ!!

 速度制限を守らせる手段は、レーダーだけではない。

 当局は、高速道路の一部の照明を切るという手段も採り始めた。

 明るいからスピードを出すのだ、暗ければ注意して速度を落とすだろう、というロジック。

 分かるような分からないような。

 それが本当に効果的なら、他の国にも波及して然るべきだろう。

 追随している国があるのかどうか、ぼくは寡聞にして知らない。

 

 

 

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2011年12月22日 (木)

Autolib 現物を見てきた

 今月の頭だったか、カーラジオからタクシーの運ちゃんへのインタビューが聞こえてきた。曰く、「Autolibをどう思うか」。

 運ちゃん、早口でまくし立てた。
 「タダみたいな料金で車を貸すなんて!これでまた近距離の客が減るよ。どうしてくれる。velibの時だって、行政は客が減る心配ないとか言ってたけど、確実に減ったよ。第一、タクシーを待つのには天気の悪い日だと雨に濡れるけど、Autolibは屋根付き待合場所があるんだぜ。不公平だ!オレは断固反対するよ!」

 velibのように直接税金が投入されているのかどうか迄は調べてないが、パリ市が持っている道路の広告塔を、運営主体の関連会社が使用できるという話は目にした。それが本当なら、パリ市からの直接支出はないにせよ、得べかりし利益を譲渡していることになるから、税金投入と同じことになる。

 ぼくのアパートからそれほど遠くないところ、シャトレ近辺に、Autolibのステーションの一つがある。

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 パーキングスペースは四台分あったが、目にしたのは二台だけだった。残りの二台は貸し出し中ということなのだろう。

 貸し出しセンターは、ガラス張りの瀟洒な容れ物。

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 その中には各種手続きをその場でできるコンソールが置いてある。

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 だけど、ね、パリ市内にこんなものを設置した日にゃ、確実にスプレー落書きの餌食になるんじゃないか。ガラスを割られるかもしれん。「しれん」と言うより、確実にやられるだろうな。監視カメラが置いてあるのかも知れないが。

 12月始めから供与され始めたこのシステムだが、ぼくが目にした二台は最早既に負傷していた。

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Dscn1473

 下の写真、二台目の方は分かりにくいかな。助手席側の取っ手が壊されてる。

 このステーションには案内係みたいなオッサンが二人いたが、この状態を放置したまま。

 Autolibの一般供与開始初日だったか二日目だったかに、早くも人身事故発生。電気自動車なので車が近付いている音が聞こえなかったとかで、歩行人のおばちゃんが軽く当てられたらしい。大した怪我ではなかったのは不幸中の幸い。

 これからどんな連中がこのシステムを利用するのだろう。

 パリ市内で自分の車用のパーキングを調達するのは簡単ではない。だから、普段は車を運転しない連中がこれ幸いとばかりにこぞってこれを利用し始めたら、さーて、どんなことになるか。

 Autolibの行く末に幸あれと祈る。

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2011年12月 7日 (水)

フランス人気質 お気楽運ちゃん、お気楽空港

 フランス中部へ飛行機で行くために、タクに乗った。

 ロワッシー(ド・ゴール空港)terminel 2ーG、と告げると、運ちゃん走りながら、川沿いの道使う?と聞いてきた。

 あんなー、お前プロだろが!どの道が一番早いか考え-!!と怒鳴りたくなったが、ぼくもオトナである。自分ならパリ中心をまっすぐ北へ抜けるけどねと言うと運ちゃん、ほな、そうするわと方向転換。それならさっきの道を左折した方が早かったやないかー。

 意識してなのか、ホンマに分かっとらんのか、ともかくこれで2ユーロ分くらいは遠回り。

 シテ島からパリのど真ん中を北にまっすぐ上がるセバストポール通りの突き当たりがパリ東駅。その名の通り、フランス東部方面路線の総元締め終着駅である。

 その駅手前で信号待ちの最中に、運ちゃん、それまでもごちゃごちゃケータイをいじっていたのだが、ここで駅の写真撮影開始。

 こいつ、田舎モンか?と訝ってたら、
 「いや、ね、今日、この後この駅で、知り合いと待ち合わせやねん」 

 知らんがな!ほんで、駅の写真撮ってどうすんねん!あ、まだケータイいじっとる。やめんかい!

 内心「怒」を抑えつつ、あ、そうと、ぼくはまたまたオトナの対応。我ながら成長したもんだ。

 これからどこへ行くの、と運ちゃん、一旦英語で話しかけてきて、あ、アンタ、フランス語喋るんやったなと、途中でコトバを切り替えて聞いてきた。

 クレルモン・フェランへ行くのだというと、ほう、産業の街やんか、と言う。
 そーかー?ミシュラン本社はあるけど、それ以外に何があったっけ。ミネラルウォーターのヴォルヴィックくらいじゃないか?

 行き先を聞いた運ちゃんは、またもやケータイをいじり始めた。もーええ加減にやめんかい!

 と、彼は、あんたが乗るのは12時35分発のフライトやな。運行に変更があったら連絡が入るようにしといたで、と言う。空港案内サービスをセットしたらしい。

 あのな、ウチを出る前に一時間遅れるとか分かればありがたいが、わし、もうタクに乗ってんねんで。今更遅延が分かってどーせーっちゅうねん。
 それとも、なにか?フランスではしばしば飛行機は定刻より早う出ることがあるんか?

 それから彼は、これがあんたの乗る飛行機やと、機材の写真をケータイで見せてくれた。
 ありがとうよ。

 運ちゃんは、ぼくを空港まで送り届けたら今日の仕事は終わりで、午後は東駅に着くcopine(女友達)のパリ観光案内をするのだと言った。

 「で、ね、さっき彼女から、どこにいるのかと連絡が来たから、お客さんを乗せてるところだって返信したら、あまり遠くに行かないようにとメッセージが来た」と、嬉々として話す。

 おまーなー、客の目盗んでe-mail交信なんかせんと、ちゃんと運転せんかいっ!
 お相手はdemoiselle(若い女性)だとさ。

 ともかく、霧が深い中、無事空港ターミナル着。

 ド・ゴール空港のターミナルGは他のポピュラーなターミナルから少し離れたところにあり、造りも違う、近距離便専用。近距離と言っても、ジェノバとかフィレンツェ行きもここで離発着する。要は小振りな飛行機専用。

 このターミナルでは税関を過ぎた後にも喫煙室がある。忘れとった。それならもっと早く入っておいて、PCで仕事するゆとりがもっとあったのに。

 搭乗ゲート案内板を見ると、予定のフライト番号横には「on time」とある。
 霧が深いので遅れるかと思っていたが、そうでもないらしい。AIR FRANCEも、やる時はやるやないかと、ちょっとだけ賞賛。

 が、しかーし。
 いつまで経っても登場ゲート番号案内の表示は出ず、「on time」だけがが空しく光り続けている。

 12:35分のフライトだから、もうそろそろ表示がないといかんだろがと、12時過ぎからちらちらボードを見てたら、12時半になって突如、出発時刻が「12:55」となった。

 どこがon timeじゃ!五分前にならな分からんのかい!
 と怒ってもはじまらない。長距離列車でもよくある話だもんねと、ぼくは三度目のオトナを決め込んだ。

 ん?ちょっと待て、ホンマにオトナか?
 純粋日本人の目から見れば、ここまで来るとむしろ、「マヒ」と呼ばれんか?

 満席に近い乗客を乗せ、機体はようやく滑走路へ行き、そこで停まった。

 窓から外を見ると、どうやら出発順番待ちの飛行機が3台ほど既に待機しているようだ。

 そのうちの一機がごそごそと滑走路に入り、飛びっていった。

 その機影が見えなくなってしまってから漸く、二機目がのろのろと準備を始める。

 おまーら、シカゴのオヘア空港を見習え。あそこでは離陸待ちの飛行機が行列を作って、前の飛行機が離陸するや否や次の飛行機がすかさず滑走を始めてたぞ。

 ようやくぼくの乗った飛行機の番になった。

 が、まだ滑走路に入らない。

 業務車両が滑走路を斜めに悠々と横切っていく光景が見えた。

 そーゆーとき、業務車両は飛行機に優先権を渡すんとちゃうんかい!

 さすがに四度目のオトナにはなれんかった。

 が、
 パリである。
 なにしろ、
 フランスである。

 この程度のことで一々腹を立てていては、最後に憤死するより他に手立てはなかろう。
 無事に飛び立っただけで、良しなのである。

 あ、やっぱり、わしマヒしてるのかね。

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2011年11月 1日 (火)

Autolib その2

 カー・シェアリングのAutolibが、この十月パリに遂にお目見え。

 利用料金は、一年契約 144ユーロ、週次契約 15ユーロ、一日契約 10ユーロで、
三十分ごとに5~8ユーロの課金となる。
 片道走行250キロメートルのこの電気自動車、利用はイル・ド・フランス地域(パリとその周辺)のみ。

 たとえば、一日契約で片道半時間以内の所を往復したとすると、

 一日契約料金10ユーロ、三十分までの使用料金7ユーロx2=14ユーロ(往復で)。〆て24ユーロとなる。四人で乗れば、一人頭6ユーロ。

 年間使用契約だと、初乗り半時間は5ユーロなので、年会費144ユーロ(一ヶ月当たり12ユーロ)を無視すれば、上記の例では使用料10ユーロで済む計算になる。しかも、ステーションに返却しさえすれば駐車場料金が不要だから、おトク度はぐっと高くなる。

 が、そうかぁ~?

 先ず、「ステーション」を探さにゃならん。探し当てたところで、velibはパリ市内だけで二万台からあるから、概ねゲットできるだろうが、Autolibではそうはうまくはいかないのではないか。

 しかも、たとえばAutolibを使って夕食に行ったとしよう。行きは何とか空車を見付けられても、帰りにそのレストランの近くに空車が首尾良くあるかどうかは、運次第。自家用車感覚での使用はちと難しそう。

 そもそも自家用車を持っている人間がこれを使うことは少ないだろう。それでは「排気ガス削減」というお題目は空念仏。

 主要使用者は現在車を持っていない連中になる可能性が高いから、却って交通渋滞に加担することにならないか?

 自転車 velib が隆盛を極めているのを指して、このお陰でCO2排出量が何万トン削減されたとか言う論調があるが、ウソ!

 それまで車を使っていた奴らがvelibに乗り換えた例なんて、ごく少数。velibを使ってる連中は、初乗り三十分は無料というシステムに惹かれた、メトロからの乗り換え組が主流なのだ。だから、メトロの運賃収入減となり、しかもメンテ費用が余分に掛かっている。

 うまくいくのかな。



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2011年10月26日 (水)

ボルドー往復 交通事情のことなど

 昨日はボルドー日帰り。葬儀に参列するためだった。

 ボルドーはパリからおよそ六百キロ。
 飛行機なら一時間、片道料金300ユーロ、TGVは三時間半を謳い、片道100ユーロ程度。

 一見飛行機の方が早そうだが、空港というのは大抵市街地から離れたところにある。例外は博多くらいじゃないか。
 しかも一時間前に空港到着せねばならないとあっては、時間的な優勢はそれほどでもない。

 普段は往復TGVを使うが、今回、行きだけは飛行機にと即決した。
 この日は絶対に時刻に遅れてはならなかったからだ。

 業務上のことなら「」スマン、電車が遅れて」と言い訳できるが、葬儀は待ってくれない。

 パリ~ボルドー間のTGVの運行スケジュールは本当に信用できない。
 「三時間半」という謳い文句は、恙無く運行できたなら、という但し書き付きであることは誰もが知っている。(他の線はそこまでひどくはないようだが)

 さて、それで、空港まで行くのに電車と車の二つの手段がある。今回は空港へ行くのにタクシーを使った。贅沢なのではない。熟慮の結果なのである。
 Air Franceのバスという手段も無いではないが、停車場まで行くのに手間が掛かるので、今回はパス。

 タクにしたのは、ドゴール空港とパリを結ぶRERという鉄道が、これまた信用ならないからなのだ。

 それでは道路はスイスイかというと、朝の出勤時間帯にそんなことを望む方が無理。
 だから、普通なら四十分程度の行程、十時半の飛行機だというのに朝八時に出発したのだが・・・

 タクの運ちゃん、遠回りのパリ外周道路へと向かう。

 ヘンだなぁ、普通パリ市内を北に抜ける道が一番早いはず。運ちゃん老人なので、走りやすい道を選んだんかな、この道は朝は渋滞してるはずだけど、まあ、ええかと思っていたところ、カー・ラジオから、パリ北部の道が事故で大渋滞というニュースが聞こえてきた。

 これを知ってたからパリの東側から郊外へ抜ける高速道路(A3)を使おうとしてるのか、と聞くと、そうだと言う。

 ずっと交通情報聞いてたのね。見かけがジジイだからといって侮っちゃいかん。恐るべし、プロフェッショナル。

 誤解のないよう慌てて付け加えておくけど、今のパリのタクシーは、素人が多い。カーナビ付けてるから、すぐに分かる。
 四半世紀前は、パリ市内の道の名前を全て覚えていなければタクシーの免許は取れなかったのだが。
 失業者対策なのかどうか。

 折角の運ちゃんの情報収集ではあったが、外周道路から高速道路A3へ入る分岐点に至ってみると、ここがまた、とんでもない渋滞。

 運ちゃんは飛行機の時刻をぼくに聞き、それならまだ時間があるから北部経由でも間に合うだろうと方針転換。

 結局ドゴール空港に至るのに、一時間半ほどかかった。想定内ぎりぎり。

 帰りはと言えば、駅で待てど暮らせど電車は来ない。掲示板を見ると「三十分の遅れ」とあった。

 乗車後も遅れは続き、結局パリ・モンパルナス駅に到着したのは一時間遅れ。

 これも想定内だから別に怒りも感じない。なにしろ、パリ~ボルドーのTGVなんだから。

 アパートに帰り着いたら、午後十一時を回っていた。

 想定内ではあったけど、やっぱり、草臥れた。

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